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インド産・野生黒蜂蜜ハンティングハニー 180g シタァール

アーユルヴェーダの癒しの花蜜,1万年の歴史があるインド野生蜂蜜
インド・デカン高原の森の恵みが凝縮された野生蜜蜂の蜂蜜。養蜂が不可能な種類の蜂が集めたもので、ハンティング・ハニーと呼ばれています。この地方の1万年以上前の遺跡に、貴重なハンティング・ハニーを捕る光景が描かれています。この野生蜂蜜は、アーユルヴェーダにもある「炎の花」パラシュが蜜源になっています。若々しさをキープするロイヤルゼリーや花粉、からだの酸化を食い止めるポリフェノールやカリウム、免疫力を高める樹液など、素晴らしい栄養価が詰まっています。

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[商品番号:801198]

インド産・野生黒蜂蜜ハンティングハニー 180g シタァール

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内容量:180g
原材料:インド産野生オオミツバチの蜜

野生ハチミツの蜜源となるパラシュの赤い花
野生ハチミツの蜜源となるパラシュの赤い花。アーユルヴェーダでは数多くの効能が記されている癒しの花
養蜂ができない貴重なハンティングハニーは、巣の一部を切り取る採取法で絶えることがないよう配慮している
養蜂ができない貴重なハンティング・ハニーは、巣の一部を切り取る採取法で、絶えることがないよう配慮している

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インド神秘の野生黒蜂蜜とハニーハンティング
The Tale of Indian Wild Honeybee’s Honey Hunting

ハンティングハニーを輸入している(有)シタァールの代表増田泰三さんは、日本とインドを結ぶ日印協会の理事をしています。

以下は、その増田さんが「月刊インド」に寄稿された「ハンティングハニー」の記事です。

はじめに

インド産野生黒蜂蜜

私は、千葉市内で1981年から今日までの40年間「印度料理シタール」というレストランを営み、傍らインドの優れた食材であるアルフォンソマンゴーやインド産野生ミツバチの蜂蜜の輸入販売を行っています。今回は近年日本でも徐々に知られ始めているインドの野生ミツバチの蜂蜜採集(ハニーハンティング)について書かせて頂く事にしました。

私どもが輸入するインドの野生蜂蜜は、マハラシュトラ州とマディヤプラデッシュ州にまたがる広大で豊かな自然に恵まれた国立メルガート動物自然保護区内の野山で、1万2千年以上も前から、その地域に住む少数部族によって採集されているものです。私どもは2003年からこの野生ミツバチの蜂蜜を輸入し、日本の皆さまにも「インド産野生黒蜂蜜」として提供させて頂いています。

インドの野生ミツバチについて

蜂蜜採集の様子が描かれた壁画

インド亜大陸には幾種類ものミツバチが棲息していますが、そのミツバチが集めてきた蜂蜜は原始の時代から、その地域に住む人々によって採集され、食されてきました。マディヤプラデュ州にアルビンベトカ遺跡の洞窟の壁画には、人が野生ミツバチのコロニーのある木に登り、蜜が蓄えられた巣から蜂蜜を採集しているシーンが書かれていますが、この壁画は凡そ1万2千年もの昔に描かれたものだという事です。

ミツバチというと一般的には西洋ミツバチが有名です。日本においても養蜂に用いられているミツバチの多くはこの西洋ミツバチです。他に日本ミツバチという野生ミツバチも一部地域では養蜂に用いられています。日本ミツバチは西洋ミツバチと違い、野生ゆえに養蜂するのが難しいところがあるようですが、採集する蜜は良質ながらも集めてくる量が少ないという理由から非常に高い値段で取引されています。その習性は勇猛果敢で、西洋ミツバチが天敵のスズメ蜂に巣を攻撃された時に、次から次にかみ殺されて容易に蜜や幼虫を奪われてしまうのに対して、日本ミツバチは小さな体ながらも勇敢にスズメ蜂と戦い、互いに協力して団子の様に敵のスズメ蜂の体にまとわりつき、羽ばたきで高めた温度でスズメ蜂を熱死させてしまいます。何か野生の逞しさといったものを感じさせる習性です。

話は再びインドに戻りますが、インドには多くの種類の野生ミツバチが棲息しています。私が知っているミツバチは4種類です。

  1. 1その中で最も小さいミツバチは、名前は分かりませんが時々見かけます。巣を発見して木の洞を覗くと、内壁にびっしり貼りつくようにとても小さな六角形の部屋の集合体である巣を造り、わずかな量の蜂蜜を蓄えて暮しているとても小さなミツバチです。
  2. 2次に大きいのはハエ位のサイズの「アピスフロリア」というミツバチです。グジャラートの有名なカッチ湿原の灌木に沢山のコロニーをつくって薄いお皿の様な巣を造り棲息していることで知られていましたが、近年その灌木が違法伐採されてしまったと知り、とても残念に思っています。
  3. 3その次に大きいミツバチに「アピスインディカ」という種類のミツバチがいますが、このハチは日本ミツバチ同様小さいのですが、攻撃的でない為養蜂に用いられています。
  4. 4最後に最も大型のミツバチの「アピスドルサタ」は20メートル程の見晴らしの良い大木の上部の頑丈な枝や、山岳地帯に連なる断崖絶壁の岩棚など、人や動物が近寄れない場所にコロニーを形成し、大きいものは直径2メートル程の半円形の巣を造ります。蜜が巣にたっぷり貯まる頃になると非常に攻撃的になる危険なミツバチです。このミツバチの蜂蜜は昔から人間により採集され、食用として、またアーユルヴェーダに於いては薬としても用いられてきました。その他宗教儀式の供物としても使われてきました。

私どもはこの「アピスドルサタ」の蜂蜜を日本に輸入して販売させて頂いています。このハチはインド亜大陸の各所に分布して棲息しています。働きバチはスズメ蜂位の大きさで、女王蜂はクマ蜂よりも大きいかもしれません。体の色は働きバチが黒く女王蜂は金色がかった美しい黄色の縞模様が体に在ります。

媚薬に用いられたというパラシュの花とアピスドルサタの蜂蜜の秘密

アピスドルサタは、西洋ミツバチが1.5キロ四方を飛び回って蜂蜜を採集してくるのに対して、その4倍の6キロ四方の広さから蜂蜜を集めてくることが出来ます。働きバチ達は高い木の上や断崖絶壁にある巣から野山に偵察に飛んで行き、周辺の草木の花を調べ、そこに蓄えられた蜜の状態を常に把握しているので、ベストタイミングでベストコンディションの花めがけて採蜜に行く事が出来るのです。また、このミツバチは、満月の時には夜間であっても採蜜に飛び回ることで知られています。

パラシュの花

アピスドルサタが集める蜂蜜が最も美味しいのは3月頃です。何故かというと、メルガート自然動物保護区では、この時期に色々な草木に一斉に花が咲き始めるからです。中でもパラシュという花が山のあちらこちらでまるで日本の春に山桜が咲くように美しく咲き乱れるのですが、この花は、赤く美しい花びらが斧(パラシュ)のような形をしています。またその美しい赤い色と形状から、別名を森の炎と言われています。その花の蜜を多く含むこの時期のものが最も日本人の好みに合うと思っています。

実はこのパラシュの木、インドばかりでなくオーストラリアやフィリピン辺りにも分布しているそうです。また、台湾や日本の沖縄にも少数ですが亜種が分布していて、日本ではそれを「花持つ薬の木(はなもつやくのき)」と呼んでいます。この木は薬効がある事からその名が付けられたようです。インドでも昔から木の幹、皮、枝、根、葉、花の全てを薬として用いてきたそうです。例えば花はサソリに嚙まれた時の毒消しに使うとか、時には媚薬として用いられたこともあったようです。日本では薬事法に触れるので、販売に際して蜂蜜そのものに薬効をうたう事は出来ませんが、実際に成分分析してみるとカリウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラルも豊富に含まれており、アミノ酸も多くの種類が含まれている事が分かります。

また、通常ミツバチは花から沢山の花粉と甘露(ハニードゥーと呼ばれる樹液)を集めてきます。これらはロイヤルゼリーやプロポリスの材料となるものなのですが野生ミツバチの場合にはそういった物質がかなり多く含まれています。ミツバチはそれに自分の体から出る分泌液を混ぜることで花粉やハニドゥーを加工します。通常花粉は花粉症をおこす原因となりますが、ミツバチが分泌液を加えて加工した後は逆に花粉症の予防に効果を発揮するようになることが知られています。アピスドルサタの飛行範囲が西洋ミツバチの4倍あるという事は蜂蜜そのものに秘めるパワーも4倍あるのではと考えてしまうのは私だけでしょうか。

ハニーハンターとNGOの話

野生黒蜂蜜の生産地 インド中央部デカン高原に広がるメルガート自然動物保護区

メルガート地方は、ハニーハンティングが国連の天然資源開発プロジェクトの推薦事業の承認を受けた後、インド政府によって野生蜂蜜採集事業の特区に指定されました。そして、政府機関カディー・アンド・ヴィレッジインダストリー・コミッション(略称KVIC)からライセンスを受けたNGOが少数部族を支援してハニーハンティングの近代的且つ安全で衛生的な蜂蜜の取り扱い方法を指導しました。そして村人が管理マニュアルに従って蓄えた蜂蜜をNGOが買い取り、世界の蜂蜜標準規格に合う様に処理をして販売をします。

そしてその収益の一部は彼らによって再度貧しい村々に還元されます。NGOは、ヒンドゥー教徒の女性リーダーの下で様々な形でスラムに住む貧困層の救済運動をしてきました。

私どもがこの野生蜂蜜の輸入を始めた2003年当時は、国連の推薦事業として承認を受けて間もない頃でしたので、NGOもアピスドルサタの蜂蜜採集と販売の事業に力を入れ始めた頃でした。それは、マハトマ・ガンジーの思想に従って貧困層や少数部族アディバシーの経済的自立支援を行うインドの政府機関KVICの管理監督の下でライセンスを得て行われている仕事でした。

ハニーハンティング事業の舞台となるメルガート国立動物自然保護区の原生林は、その数400頭ともいわれる野生の虎が棲む保護区です。そこには50程の数のアディバシーと呼ばれる山岳民族の村が点在しているのですが、村人たちは農業の傍ら1万2千年も前から行われてきたハニーハンティングで生活を支え続けています。

地上20メートルでのハニーハンティング

木から降りてきた様子

つい最近まで、ハニーハンティングは昔ながらの古いやり方で行われていました。ハニーハンターたちは村ごとにチームを組んで、危険な原生林へ深く分け入り、時には虎や毒蛇と出くわす危険な状況で仕事をしなければなりませんでした。彼らはミツバチが動かない闇夜を狙って高い気に登り、ナイフで蜂の巣を全部切り落とした後で、巣ごと桶に入れて村に持ち帰ってきました。そして巣を素手で絞り、蜂蜜をカメに入れて保存していました。その蜂蜜は、町から定期的に買い付けに来る蜂蜜業者に安い価格で売り渡され、養蜂の蜂蜜を瓶詰めする時に増量の目的で使われていました。ハニーハンティングは、危険な仕事の割には儲けの少ないものでした。

しかし、国連の天然資源開発プロジェクト承認後は大きく様変わりしました。KVICの国立中央ミツバチ養蜂研修研究所から派遣された植物学者や昆虫学者そして国連で国際規格と蜂蜜処理技術を学んだNGOのチームが、アディバシーの村に長期滞在して科学的なハニーハンティングの方法と蜂蜜の処理と保管の技術を指導しました。その結果それまで増量用としての用途しかなかった野生ミツバチの蜂蜜は、より安全で衛生的な商品に生まれ変わりました。また森の滋養に富む蜂蜜であることが研究所の分析で証明されたおかげで、市場で付加価値を認められて以前よりずっと高い価格で売れるようにもなりました。一方ハンティングの現場では、安全な日中に防護服を着用して樹に登り、蜂を殺さず、以前の様に巣を全部切り取るのではなく一部だけを切り取って採集する様になり、ミツバチは帰るところがなくなって死んでしまうこともなくなり、巣はまた2週間で再生され、もう一度同じ巣でハンティングが出来る様になりました。これによりハニーハンター達は、もう危険を冒して深夜山深く分け入り木や崖に登ってハニーハンティングをする必要がなくなったのです。

結果的にこのプロジェクトによりミツバチの採蜜活動が活発になり、同時にそれが花々の授粉を促すことになるので、長い目で見ると森林保護、水資源の確保や砂漠化防止に役立つということが地域の人々にも理解される様になったのでした。この事業はインド政府がバックアップするフェアトレードの良いモデルになるのではないかと思います。

おわりに

今回この話の中で、養蜂とハニーハンティングを比較して書いた箇所がいくつかありますが、それは養蜂とハニーハンティングの間に対立関係を持ち込むものではありません。KVICやNGOはもともと養蜂の普及に力を入れてきました。何故なら、マハトマ・ガンジーがインド独立運動の中ですすめた国産品愛用運動の柱の一つが蓑蜂だったからです。

もう一つの柱は、村人たちが綿の栽培から始めて糸を紡いで布地を織り自給自足して衣服を身に纏う国産品愛用運動(イギリス製品不買運動)の象徴であるカディ(布地)でした。養蜂は養蜂箱と知識さえあれば、少ない元手で誰にでも始められる事が利点でした。実はガンジー自身もとても蜂蜜が好きだったそうで、医学の知識にも詳しかったガンジーは健康のために毎朝数種類の蜂蜜を食していたという事です。ですから、義蜂は村人の健康維持と経済的自立の両方に役立つ仕事と考えたのではないでしょうか。インドで、その仕事をインド独立後今日まで続けているのがKVICなのです。そのIMCがハニーハンティングの事業を管理監督している訳ですので、決して養蜂とハニーハンティングの間には対立は無いのです。

マハラシュトラ州ワルダのガンジーアシュラムのセヴァグラム(右端が筆者)

私はこれまでに6度メルガートに行き、ハニーハンティングには4度立ち会いました。それらを見て思った事は、読者も既にそう感じておられるのではないかと思うのですが、ハニーハンティングは大自然の中で行われるスケールの大きな養蜂だという事でした。マハトマ・ガンジーは科学の発達と過度な機械化が人間性を阻害すると思っていました。一方で人間が自然とうまく折合いを付けてその恩恵を享受して生活出来る社会を理想としていたのだと思います。養蜂とハニーハンティングは正しくガンジーが理想とした人問と自然が調和した事業と言えるのではないでしょうか。

今世界ではミツバチがすごい速度で減少しています。それはHoney comb collapse syndrome :ミツバチの巣崩症候群という現象だと言われていますが、突然ミツバチが巣箱を捨てて消えてしまうのです。その現象は世界各地で起きています。原因については農薬説、電磁波説、大気汚染説、ダニによる病害説等々があります。この世から蜂がいなくなったら大変な事になるので、それは何とか解決をしなくてはならない重要な問題です。野生ミツバチと養蜂はそのバロメーターとして、これからも支援され続けなければならない取り組みだと思います。

最後に、マハラシュトラ州プーナにあるKVICの国立中央養蜂ミツバチ研究研修所の所長室に、ミツバチの写真と一緒に掲示されていたアインシュタインの衝撃的な言葉を思い出しましたので、お伝えしてこの話を終わりたいと思います。ありがとうございました。

"No Bee. No Pollination. No Plant. No Animal No Man!”

<参考資料>
  • KVIC·UNDP BEEKEEPING PROGRAM, DIRECTRATE OF FOREST BASED INDUSTRY「BEEKEEPING TRAINING MANUAL ON WILD HONEY BEE」
  • Narayan Das Prajapati, Dr.S.S. Purohit, Arun.K.Sharma, Terun Kumar 4名共著「AHANDBOOK OF MEDICINAL PLANTS A COMPLETE SOUCE BOOK」 Agrobios(India)社発行
  • ヴェド・メータ著 植村昌夫訳『ガンディーと使徒たち「偉大なる魂」の神話と真実』新評論社
  • 浅井幹雄 監修「ガンディーの魂の言薬」太田出版
増田泰三(ビジネスネーム増田泰観)

1953年に熊本県益城町津森村に生まれる。法政大学社会学部社会学科卒業後、千代田区九段北時代の「印度料理アジャンタ」でイント料理を学ぶ。1981年に千葉市検見川町にて創業し「手造りインドカレーの店シタール」を開店。1982年に店名を「印度料理シタール」に改名し現在に至る。


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