発酵食品って何でしょう？納豆？お酒とか？

あまり意識していないかもしれませんが、お味噌に醤油、かつお節、漬物などなど、私たち日本人の食生活には欠かせないものにもたくさん発酵食品があります。

このところ、発酵食品の効能（パワー）が注目されています。発酵食品には、免疫力をつける、体調を良くする、老化防止、血液をきれいにするなど、数々の効用があります。ぜひ毎日の食事に発酵食品をとり入れて、元気をキープしたいものです。調味料に注目し、どういうものを選んだらいいのかを紹介します。

みなさんみりんはどんなときに利用していますか。
煮物を作るときに使うことが多いと思いますが、もともとみりんは甘味をつけたりツヤを出すためだけのただの調味料ではありません。今は「みりん風味調味料」などがみりんの代わりに多く出回っていますが、みりんは基本的にお酒で、発酵食品なのです。もともとはリキュール酒のような飲み物で、その甘さが料理に活かされるようになったのはあまり知られていないようです。

もち米に各種のアミノ酸や糖質の滋養があるため、かつては夜よく眠れるようにと、お年寄りや女性がナイトキャップとして、また疲労回復にと飲んでいたりしました。
明治時代頃から高級料理店や菓子屋のプロが隠し味として使い始めましたが、一般に調味料として浸透したのは戦後のことです。昭和３４年の酒税法改正で安くなったのを契機に、また食生活の向上と料理本やテレビなどメディアで大々的に料理が紹介されるようになったため、調味料としてのみりんが家庭に普及しました。

本来のみりんは飲料用としてより、破砕米や醸造用アルコールや糖分を使った調味料となっていき、やがてさまざまな食品添加物を加えて「みりん風調味料」がスーパーなどで市販されるようになり、そちらの方が主流になってしまいました。

最近では醸造用アルコールと糖類と強い酵素を使って、６時間ほどで発酵させて作った、まるで化学合成調味料のようなみりんが出回っていますが、本来のみりんはこれとはまったく違います。もち米、米麹、米焼酎だけを使ってじっくりと熟成し、もち米の甘さを引き出すのです。

もち米は発酵するにつれて、でんぷんとタンパク質に分解しますが、でんぷんが甘みとなり、タンパク質はうまみ成分になっていきます。焼酎の強いアルコール分は防腐としてほどよい発酵を助ける働きをして、うまみと香りのバランスを生み出します。そうして時間をかけて作られたみりんの色は琥珀色をしているのです。

みりん風調味料が多く出回っていますが、これはいろいろな化学合成調味料を合わせて作ったものが多いのが実情です。醸造用糖分、醸造用アルコール、グルタミン酸ソーダなどを加えて薄めたもので、醸造期間も短く、強い酵素を使って短時間で発酵させています。昔ながらのみりんは基本的にはお酒で、その材料はもち米、米麹、米焼酎だけで作っています。醸造期間も１年から３年ほどかけて、じっくり寝かせています。

みりん風調味料はうまみが少なく、魚の生臭さを消したり、照りを出したりというみりん本来の作用はないに等しいといえます。一度味わってみればその違いがわかるでしょう。みりん風ではなめてもちっともおいしくありません。おいしくないものを料理に使ってもおいしくなるはずがありませんね。いいみりんを使えば毎日のお料理がきっとうまくできあがります。