化粧品原料の環境汚染

何気なく使っているメイク用品が海を汚している？

「プラスチックが海洋汚染につながっている」ということからレジ袋が有料化され脱プラスチックへの意識が高まっていますが、化粧品原料による海洋汚染も大きな問題です。

日焼け止めの紫外線吸収剤が海を汚染

一般に販売されている日焼け止めには、「オキシベンゾン」や「オクチノキサート（メトキシケイヒ酸エチルヘキシル）」などの紫外線吸収剤が含まれているものが多くあります。しかしこれらの成分は、環境ホルモン作用やアレルギーの誘引、発がん性など人体への影響が懸念されています。

これらの成分を含む日焼け止めを塗ったまま海に入れば、当然海水中に溶けだし海洋汚染を引き起こします。実際にハワイではサンゴが白化して、やがて死滅してしまう現象が起きています。そこで２０２１年１月１日からその原因である紫外線吸収剤を使用したUV製品の販売が禁止になっています。日焼け止めの影響を追っている研究者らは、「オキシベンゾン」はサンゴのみならず、海洋生態全体に影響を与え、さらにハワイの飲み水や魚にも入り込むため、人体にも影響を与えている可能性があると警鐘を鳴らしています。

現在、ハワイだけでなく、パラオ、フロリダ州キーウエスト、カリブ海ボネール島など世界のリゾート地では、紫外線吸収剤「オキシベンゾン」や「オクチノキサート（メトキシケイヒ酸エチルヘキシル）」などが配合された日焼け止めの流通・販売・持ち込みなどが禁止される動きが活発化しています。

スキンケアやメイク用品、ヘアケア用品も海洋汚染の原因に！

特にパラオではオキシベンゾン、オクチノキサート（メトキシケイヒ酸エチルヘキシル・メトキシケイヒ酸オクチルなど）、オクトクリレンなどの紫外線吸収剤の他、エンザカメン、トリクロサン、メチルパラメン、エチルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルパラベン、フェノキシエタノール、以上の１０種類の化学物質を含むスキンケア商品の輸入、販売、使用が禁止になっています。

紫外線吸収剤だけでなく、化学物質を含むスキンケア、メイク用品も海洋に多大なる影響を及ぼしていることが、世界中で次第に意識され始めています。

例えば近年は、化粧品に配合されている「マイクロプラスチック」といわれるプラスチックの海洋汚染が問題になっています。わかりやすいのはスクラブ剤、これは洗顔剤やボディソープ、歯磨き剤などに含まれています。

また化粧下地やファンデーション、パウダー、アイシャドー、チーク、口紅、シャンプー、コンディショナーなどあらゆるものに基材としてマイクロプラスチックが含まれているのです。配合の目的は、化粧品の伸びをよくするすべり効果、肌や唇、髪などをつやつやに見せるポリマー効果などです。

オーガニックスキンケアで健康な肌を、きれいな海を！

健康な肌や髪は、こういった化学合成成分を使わなくても、艶やかでクリームもすべりよく塗れるはず。

化学合成成分を使うから肌が荒れ、また合成成分に頼ってしまう・・・そんな繰り返しをしていませんか？

それが、海洋汚染へとつながっているとしたら？　

健康な肌を取り戻すためにまずは、化学合成成分の入った化粧品をやめ、オーガニックスキンケアを心がけましょう。肌はターンオーバーして１か月程度で新しく生まれ変わっていきます。化学成分で傷んだ肌は、健康を取り戻すのに少し時間がかかります。でもオーガニックスキンケアを続けていれば、だんだんと健康な肌になっていくのを実感できるはずです。

アウトドアレジャーやスポーツなどで長時間、強い紫外線を浴びるときには、酸化チタンや酸化亜鉛などの紫外線散乱剤の配合された日焼け止めがおすすめです。

しかし健康で潤いのある肌であれば紫外線を反射する機能を備えているので、日常の暮らしで浴びる紫外線を極度に気にすることはありません。合成成分の日焼け止めをやめて、シコンやシアバターなど紫外線から肌を守ると昔から言われてきた植物を配合したものを使いましょう。

肌の健康と海洋汚染、一見まったく関係ないと思われがちですが、実は深く関係し合っています。

この夏、きれいな海を守るためにも、健康な肌を保つためにも、オーガニックスキンケアを実践しましょう！