安全な化粧品を選ぶために、まず防腐剤に注目しましょう!
合成防腐剤の代表、「パラベン」
現代の化粧品は、石油から作られた合成成分が主原料です。化粧品は、石油由来の合成防腐剤や乳化剤、合成ポリマーなどの合成成分なしでは作れないものになってしまっているのです。合成成分が多く配合されている化粧品を見分けるには、化粧品成分の知識が必要ですが、化粧品容器に記載された全成分を見ても、難解な化学成分がずらりと並んでいるだけです。それらが何でできているのか、わかる人はほとんどいないのではないでしょうか?
とはいえ、化粧品に使われている合成防腐剤は、種類が限られているので、それらを目印にして、安全な化粧品を選ぶ方法もあります。
たとえば最も多く化粧品に使われている合成防腐剤が「パラベン」です。
まずはこの成分名だけは覚えていてください。
「パラベン」には、「メチルパラベン」、「プロピルパラベン」、「イソプロピルパラベン」、「エチルパラベン」、「ブチルパラベン」、「イソブチルパラベン」、「ベンジルパラベン」などの種類がありますが、いずれも総称は「パラオキシ安息香酸エステル=パラベン」で、石油から合成された成分です。
化粧品の全成分を見ると、比較的、全成分の最後のほうに「〇〇パラベン」という言葉がしばしば出てくることと思います。
「パラベン」は、国がアレルギー性を認めた合成成分
「パラベン」は、1980年に日本の旧厚生省がアレルギー性のある成分として表示を義務付けた「102種類の旧表示指定成分」のリストに入っていたものです。
「パラベン」は、化粧品に使用する際に1%を超えてはならないという法律上の規定があります。たとえば100gの化粧水に、1gまで「パラベン」を配合することができます。もし100gの化粧水を約1ケ月で使うとすると、1日に化粧水を約3.3g使うことになり、その中に含まれる「パラベン」は、約0.03gになります。
1回に使う「パラベン」の量が0.03gというと、少ないようですが、毎日、使うのは化粧水だけではなく、そのほかにも様々な化粧品アイテムの中に「パラベン」が配合されていることを忘れないでください。
無添加化粧品の合成防腐剤、「フェノキシエタノール」
いっぽうで最近は、「パラベンフリー」をうたう化粧品もよく出ており、あたかも合成防腐剤フリーであるかのような印象を与えています。
しかし「パラベン」以外にも、石油原料の合成防腐剤はいくつかあります。
パラベンの次に多く使われている合成防腐剤が、「フェノキシエタノール」です。
「フェノキシエタノール」は、旧厚生省が表示を義務付けた「102種類の旧表示指定成分」の中に入っていなかったため、「パラベン」よりも安全と見なされて「無添加化粧品」や自然派を称する化粧品によく使われています。
しかし「フェノキシエタノール」もまた石油から合成された成分です。化粧品に使用する際には、パラベンと同じ1%以内という規定があることから、肌への影響は、アレルギー性のあるパラベンとほぼ同等と考えて良いでしょう。
無添加化粧品というと、「合成成分フリー」の化粧品と思っている人が多いのですが、「フェノキシエタノール」の事例からもわかるように、そういう意味ではありません。無添加化粧品とはメーカーが作り出した言葉で、旧厚生省がリスト化した「102種類の旧表示指定成分」を使っていないという意味です。
無添加化粧品はこのリストに入っていなかった合成成分であればいくらでも使うことができるのです。
合成防腐剤が乾燥肌を招く
「パラベン」や「フェノキシエタノール」などの合成防腐剤は、化粧品の中に発生する菌を殺傷しますが、一方で、肌の上にいる常在菌も一掃してしまいます。
もともと肌の上の常在菌は、肌に保湿成分を与えたり、外からの有害な菌を無害化したりするなど、様々な働きを担っています。
そのため常在菌がいなくなってしまった肌は、乾燥しやすくなり、また有害な菌によって吹き出物が出やすくなったりします。
化粧品の合成防腐剤は、使う人のためというよりも、化粧品メーカーの流通にとって欠かせないものです。そして何より安定して確実に働いてくれるのが、合成防腐剤なのです。
ちなみに一般的な化粧品は、約3年間の保存期間を求められます。そうでない場合は、保存期間を容器に記載することが義務づけられています。
さらに「パラベン」や「フェノキシエタノール」などの合成防腐剤は、肌だけではなく、体に対しても問題があります。これらの成分は、経皮毒として体内に蓄積するので、発がん性や環境ホルモン性についても疑う報告が出ています。
JOCAマークは、天然成分100%コスメの目印
「日本オーガニックコスメ協会」が定めた、JOCA基準は、ヨーロッパの認証基準よりも厳しく、完全・合成成分フリー、天然成分100%です。
幸いにも日本の化粧品製造技術はオーガニックコスメの分野でも世界的にすぐれており、防腐剤や乳化剤も天然成分である化粧品がかなり市場に出ています。そうした傾向をみると、あいまいな海外のオーガニックコスメよりも、国産の真のオーガニックコスメをぜひ使ってほしいと思っています。
では現在、オーガニックコスメでよく使われている天然の防腐剤には、どのようなものがあるのでしょうか?
化粧水などの水溶性のアイテムによく使われている防腐剤が、「グレープフルーツ種子エキス」です。そのほか近年は、「ゆず種子エキス」も天然の防腐剤として使われ始めています。
またクリームなどによく使われている天然の防腐剤には、「レウコノストック/ダイコン根発酵液」があります。
「天然成分100%の化粧品を選びたい、でも化粧品の『全成分』がわからない」という声をよく聞きます。そんなときにぜひ目印にしてほしいのが、JOCAマークです。
JOCAマークがついたコスメは、「日本オーガニックコスメ協会」の厳格な基準に基づき、天然成分100%であることが保証されています。
天然の防腐剤を使った国産オーガニックコスメ
JOCAマークを取得した天然成分100%のオーガニックコスメを紹介します。 いずれも防腐は天然成分で実現しています。
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アルテ オーガニッククレンジング 150ml アルテ乾燥肌に悩む方には特におすすめのクレンジング。皮脂をとりすぎずに洗顔できるので、朝の洗顔にもおすすめです。「レウコノストック/ダイコン根発酵液」で防腐しています。
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ピーチムーンハーバルフェイスウォーター 120ml 京都ちどりや肌の老化を防ぐポリフェノールを赤ワインの34倍も有する月桃を蒸留して作ったシンプルな化粧水。「グレープフルーツ種子エキス」で防腐しています。
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アルテ ハーバルウォーター 100ml摘みたてのフレッシュな無農薬ハーブを、中央アルプスの天然水で蒸留した蒸留水です。8種類それぞれのハーブの持つ美容成分がまるごと液体の中に溶け込んでいます。「ユズ種子エキス」で防腐しています。