本物のオーガニッククリームを選ぶ  乳化剤も防腐剤も天然成分で実現

本物のオーガニッククリームを選ぶ
乳化剤も防腐剤も天然成分で実現

肌が乾燥する季節にはぜひとも欲しいクリーム。

クリームは水分と油分が混じっているために、肌になめらかになじみます。

クリームの製造に必ず必要となるのが、本来は混じりあわない水分と油分を混ぜる乳化剤で、界面活性剤とも言います。

「界面」は境界を意味し、「活性」とは混ぜることを指しています。

界面活性剤というと、合成成分と勘違いされがちです。でも界面活性剤には、合成成分と、自然な天然成分があります。

肌の潤いのために、ぜひ天然成分の界面活性剤を使ったクリームを選びましょう。

肌を薄くする合成界面活性剤

一般的なクリームは乳化剤として合成界面活性剤が使われています。

合成界面活性剤は、主に石油から作られますが、年々、新しいものが作られて3000種類以上もあります。

具体的な合成界面活性剤の成分例をあげると、ラウリル硫酸ナトリウム、PPG-24グリセレスー24、ラウレスDEAなどです。

合成界面活性剤には、肌にとって大きな問題があります。それは、たんぱく質変性作用があるため、肌バリアを壊してしまうことです。より具体的に言うと、使ううちに肌バリアにダメージを与えて徐々に溶かし、薄くしていくのです。

その働きは、合成界面活性剤が配合された化粧品を使うと、過剰にヌルヌルすることからもわかります。それは「しっとり感」と勘違いされがちですが。実は合成界面活性剤が肌バリアを溶かしているのです。

合成界面活性剤は、クリームだけではなく、クレンジングや洗顔フォーム、美容液、ファンデーションなどにも使われています。さらに肌を溶かす弊害が、使う人に、「ヌルヌル感」や「しっとり感」を与えるために、本来は水分だけで作られていいはずの化粧水にまで配合されています。つまり合成界面活性剤は、あらゆる化粧品のアイテムに配合されています。

朝は洗顔フォームで洗い、化粧水やクリームをつけ、メイクをし、夜はクレンジングと洗顔フォーム、そして化粧水やナイトクリーム。それらのすべてに、たんぱく質変性作用がある合成界面活性剤が入っていれば……。

「肌が薄い」、「すぐに赤くなる」、「皮膚の下の血管が透けてみえる」などの肌トラブルを抱える人が急増し続けているのは不思議なことではありません。

体にとっても問題がある合成界面活性剤

合成界面活性剤は、自然界で循環できないほど安定しているので、その結果、作られたクリームは、分離しにくく、安定しています。

そかしその安定性ゆえに、肌バリアのたんぱく質を変性するだけではなく、肌の奥に浸透することも可能にします。

「肌の奥に浸透する」のは、良いことと勘違いされている傾向がありますが、実はそれはとんでもないことです。

肌の奥に浸透した合成界面活性剤は、そのまま毛細血管にも入り、その後、体中のあちこちに運ばれて、脂肪が多い箇所に蓄積します。

脂肪がとくに多い箇所というと、生殖にかかわる箇所も関わっています。女性の場合は、子宮や胸周りです。生殖にかかわる場所に脂肪の層が厚い理由は、外部から有害なものが入りにくいようにしている自然の仕組みです。

しかしもともと自然界にない合成界面活性剤は、安定しているがゆえに、自然が作ってくれたバリアを通り抜け、そこに蓄積されてしまいます。

近年、子宮周りの婦人病や乳がんなどが急増している原因も、合成界面活性剤が配合された化粧品と無関係とはいえません。

オーガニックコスメと称していても、乳化は合成界面活性剤

一般的なクリームには合成界面活性剤が使われていても、「オーガニックをうたうクリームなら天然成分の界面活性剤を使っているのでは」というイメージがあります。

残念ながら、多くのオーガニックコスメと称する製品にも合成界面活性剤が使われています。それらの合成界面活性剤は、石油をそのまま原料としたものではないとしても、石油と植物を合成したものであったり、または植物を合成したものであったりすることがほとんど。いずれにしても自然界にない成分であることには変わりありません。

多くの消費者は、「植物から作られた合成界面活性剤なら、問題はないのでは」と考えがちです。たとえば植物由来の合成界面活性剤として、ラウリル酸ソルビタンという成分があります。これはヤシ油と糖類の植物原料を合成した合成界面活性剤ですが、自然界にその形で存在する成分ではありません。

植物由来であっても合成界面活性剤は自然界にないものなので、素肌と、そして環境に及ぼす影響は未知であり、不安が残ります。

天然の界面活性剤を使ったクリームの開発

「オーガニック生活便」は、「日本オーガニックコスメ協会」の天然成分100%のオーガニックコスメ基準に沿って、化粧品選定をしています。

「オーガニック生活便」取り扱いメーカーのひとつである「アルテ」は、7年前、製造会社と協力して、天然成分100%のクリーム作りを目指しました。

天然成分100%のクリーム製造のために最初に課題となったのが、どのような天然成分で乳化するかということでした。

選んだ乳化剤成分はレシチンで、天然の界面活性剤です。

ただしレシチンにもいくつかの種類があるので、出来る限りナチュラルなものにこだわりました。

酸化を防ぎやすくした水添レシチン、混じりやすくしたリゾレシチンなどは、多少の化学的操作が加わったものです。しかし「アルテ」は、そうした化学的操作がされていないレシチンを使うことにしました。

またレシチンのもともとの原料は、大豆などになりますが、遺伝子組み換えがされているものも多いため、その不安がない原料を探し出しました。

さらにレシチンの抽出法として、ヘキサンなどの合成溶剤が使われることも多いのですが、そうしたものを避け、ナチュラルな穀物アルコールで抽出されたものを選びました。

オーガニック・クリームの天然の防腐方法

クリームのもうひとつの課題は、水分が入ってくるため、防腐方法です。

何故ならモノが腐る過程には、必ず水が関わっているからです。自然界の循環にとって、腐ることは決して悪いことではなく、むしろ欠かせないことですが、それは必ず水が関わっています。

とはいえ、ひとつの商品として市場に出るものが、短期間のうちに腐ってしまうのは問題があります。そのために合成防腐剤のパラベンやフェノキシエタノールにたよることなく、天然成分でクリームの防腐を実現する必要がありました。

そこで用いられた防腐剤が、レウコノストック/ダイコン根発酵液です。しかし天然の防腐剤の場合、それだけでは効力が弱いので、そのほかにカンゾウエキスやオウバクエキス、セイヨウシロヤナギエキスなど、天然の抗菌力がある植物エキスを組み合わせることによって保存期間を安定させました。

合成成分フリーだから植物本来の力が発揮される

こうして「アルテ」は、乳化剤も防腐剤も天然成分、つまり丸ごと天然成分100%のクリームが実現されたのですが、開発までに2年の期間を要しました。

この処方は、クリームだけではなく、クレンジングの乳化にも応用されています。

販売された「アルテ ローズモイスチャークリーム」には、植物エキスとして、ローズ、スイカズラ、シャクヤク、ユキノシタ、ハトムギなど、潤いとくすみを改善する数多くの美容植物エキスが配合されています。使った方々の声を聞くうちにあることを確信しました。それは合成成分を一切、使っていないために、植物エキス本来の力が発揮され、 その結果、肌をより早く、健康な状態へと導き、しっとりと明るい肌を保ってくれるということでした。

丸ごと天然成分のクリームを普及させるために

「日本オーガニックコスメ協会」は、「アルテ」が開発した、天然成分100%のクリーム製造の処方を評価し、他のメーカーにも奨励しています。

しかしなかなか同じ処方でクリームを作ろうという製造メーカーが出てきません。その理由は、製造メーカーが天然成分のみのクリームを作ろうとしたら、乳化するための割合や処方などのデータの蓄積にかなり時間を要するからです。

天然成分100%のクリームが普及するためには、それぞれの製造メーカーが、そのような処方に価値を認めて努力をすることが求められます。

今後も「日本オーガニックコスメ協会」は、本当に消費者のためにより安心安全な処方を開発したいと考える製造メーカーを増やし、応援していきたいと考えています。

「オーガニック生活便」もまた協会の趣旨に賛同し、本当に良いものを届けたいと考える企業を応援していきたいと考えています。

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