薔薇の香りでもっと心地よい毎日を~ストレスを香りの力で改善~

薔薇の香りでもっと心地よい毎日を
ストレスを香りの力で改善

増え続ける「香害」

最近、よく耳にするようになったのが「香害」という言葉。

街中ですれ違った人の衣服の香りや、電車で隣に座っている人の香りで「気分が悪くなった」といった話をよく耳にします。

柔軟剤や消毒剤として、最近、様々な香料が使われていますが、そのほとんどが石油から作られた合成香料です。さらにナノカプセルに合成香料を閉じ込める最新技術の登場によって、いつまでも消えない香りが蔓延し、ますます「香害」は深刻化しています。

多くの合成香料の香りは、ある人にとっては良い香りであっても、他の人にとってはいたたまれない嫌な香り、まさに「香害」になってしまうのです。

とくに近年は、化学物質過敏症の方々が増加していますが、そんな方の場合、街中ですれ違っただけで、立っていられないほどの体調に陥るということもあるそうです。

瞬時にして体に影響を与える香り

それにしても何故、香りは、そのように即座に体調に影響を及ぼすのでしょうか?

香りは、鼻の嗅覚を通じて、脳内にある視床下部に伝わります。

視床下部からは、全身に向かって神経細胞が樹木の枝のように伸び広がっており、 ここは、自律神経やホルモン分泌、免疫系のバランスを統制する場所です。大脳に接している視床下部は、人が考えたことや感情によっても、大きな影響を受けます。

まさに視床下部は、心と体の双方をひとつにしてハーモニーを奏でる指揮者のような役割を果たしているのです。 

そのように香りの経路を追うと、良い方向であれ、悪い方向であれ、何故、香りが瞬時に作用を及ぼすのかがわかります。

今、問題となっている「香害」は、主に合成香料によるものです。

植物から作られる天然香料と合成香料の違いは、合成香料は単一の化学式であらわされる成分ですが、いっぽう天然香料は単一成分ではなく、さまざまなフィトケミカル(=植物が作り出すフィトケミカル)の集合体です。

たとえば薔薇の香りは、数百種ものフィトケミカルから構成されています。

心と体に幸福と健康を贈る薔薇の香り

多様な成分で構成されている天然の香料は、古くから心と体の健康のために使われてきました。

心地よいと感じられた香りは、視床下部を通じてホルモン分泌系や免疫系を活性化し、それはそのまま体調や肌にあらわれます。

中でも薔薇の香りは、さまざまな植物の香りを使いこなすアロマテラピストが、特別な畏敬念を抱く対象です。

昔から薔薇の香りは、心にある暗い雲を追い払い、生きる喜びを思い出させ、幸福感へと誘うと言われてきました。そのため薔薇は鑑賞用の花としてだけではなく、万能薬としても用いられてきました。

近年の研究でも薔薇の香りの効果は実証されています。

薔薇の香りは、ヒトの心と体の双方に良い影響があることが明らかにされています。

薔薇の香りは、ストレスを軽減し、安眠を促し、さらに肌バリアを回復するスキンケア効果までがあることがわかってきたのです。

肌バリアの層には、ランゲルハンス細胞があり、これは脳につながっている免疫細胞です。たとえば薔薇の香りを嗅ぐと、視床下部の指令によって、肌にあるランゲルハンス細胞の免疫活動が活性化されます。そして実際にダメージを受けた肌の健康を回復させることが実験で報告されています。つまり薔薇の香りのエイジング効果が改めて確認されたわけです。

生活の中に積極的に薔薇の香りを取り入れることは、心と体の双方を健康にし、毎日をもっと心地よいものにするとても良い方法です。

ただし薔薇の香りに似せられた合成香料ではなく、ナチュラルな薔薇の香りでなくては、薔薇本来の素晴らしい力は発揮されないことを忘れないでください。