からだにやさしいナチュラル防虫対策
一般的な殺虫剤は、体調不良の原因に
暑くなってくると、蚊やハエ、アリ、ダニ、ゴキブリなど、防虫対策が必要になってきます。
思いがけないときに刺されて、ひどい痒みに悩まされたり、湿疹のような跡がなかなか治らなかったりと厄介です。
といっても、一般に市販されている殺虫剤は要注意です。
殺虫剤は、石油から合成された成分です。
殺虫剤の成分としては、ピレスロイド系、有機リン系、カーバメート系などがありますが、このうち、殺虫剤の9割はピレスロイド系の成分が使用されています。
メーカーは、「ピレスロイド系は人にもペットにもほとんど無害です」、と広報していますが、実際には、神経過敏症、子供の発達中の神経への悪影響などが報告されています。さらに怖いのは、毎日吸い続けていれば、化学物質過敏症を発症する恐れもあるといわれています。
殺虫剤は、もともと農薬だった合成成分を応用したものです。
狭い家の中で殺虫剤を使えば、農薬を散布するのにも似たことになり、経皮だけではなく呼吸器からも体内に入ります。その結果、たしかに虫はいなくなったけれど、「体調がおかしい」、「体がなんとなく重い」、「鬱っぽい」といったことになりかねません。
昔から使われてきた植物の力で防虫対策を
殺虫剤もまた近年になって石油の副産物から合成されたものなので、その弊害の全容はまだまだ未知の部分があります。自然界にはない化学的な合成成分であるため、ヒトが本来持っている免疫システムを弱めてしまう可能性もあります。コロナ禍もまだ完全には治まらない現状を考えると、免疫力低下の影響はぜひ避けたいものです。
結論としては、現代の化学的な殺虫剤による過剰な防虫対策は、かえって人体にとっても危険といっていいでしょう。
防虫対策として、安心安全にこだわるのであれば、昔から使われてきた植物や植物の芳香成分を活用した製品を使いましょう。
とくに植物の香りについては、ヒトにとっては良い香りで体にも害はないけれど、虫にとっては嫌いな香りというものが数多くあります。
たとえばヒバ、ヒノキ、レモングラス、ラベンダー、プチグレン、ゼラニウム、ミントなどは、ヒトにとっては好ましい香りですが、虫にとっては忌避したくなる香りです。
「有害な虫は、化学的な殺虫剤を駆使してすっかりいなくなってしまえばいいのに」と考えられがち。でも虫も自然循環のためになんらかの役割も果たしています。
絶滅してしまうと、自然循環のシステムの根底がおかしくなってしまう可能性があります。
住居は、掃除や清潔さを心掛けるととともに、虫が嫌う植物の力を活用して適切な防虫対策をしましょう。