環境省の絶滅危惧種リストで「IB類」(20年後の絶滅の確率30パーセント)に分類されているムラサキ。
大昔から日本文化を育んできたこの植物を、市民の手で栽培し、自然保護や町おこしに役立てようとする動きが各地で始まっています。
スローを求める機運の中 ”江戸紫”再評価
「紫草」と書いて、ムラサキと読みます。
ムラサキは東アジア原産、ムラサキ科の多年草。5月中旬~8月、白い花をつける。草丈は60cm前後。根は鮮やかな紫色で、染料や生薬として使われる。
京紫・江戸紫などの染物や、塗り薬に配合される生薬のシコン(紫根)、万葉集・古今和歌集などの和歌を通じて、私たち日本人には馴染みの深い植物です。
江戸時代までは、とくに染料の原料として全国で栽培されていましたが、化学染料が登場して以来、ムラサキ畑はほぼ消滅。自生のムラサキも、森林破壊、大気汚染、酸性雨などの影響によって環境省のレッドリストに載るまでに激減し、今や”幻の野草”とさえ呼ばれるほど。まさに日本のムラサキ文化は”絶滅”の瀬戸際にあるのです。
自生のムラサキ。
標高100~1000mで水はけのいい傾斜地(草原)を好む。
自然破壊が進んで、今や”幻の野草”に
東京発の紫草を蘇らせる動きとして異色なのが、三鷹市の事例です。三鷹市中心街は大型スーパーなどに押されて近年その魅力がうすれ、ブランド力の向上を模索していました。そこで再評価されたのが、かつての特産品である武蔵野のムラサキを使った染物”江戸紫”でした。
かつて地元・大盛寺の門前には、江戸紫を売るための市が立ったとか。お寺には紫根問屋と薬問屋が寄贈した「紫灯籠」も残っています。
化粧品にも使われるムラサキ
ムラサキの根であるシコンを使った江戸時代の外用薬として有名なのが「紫雲膏」。名医・華岡青洲が作りました。赤いシコン色素は、新陳代謝を促進し、荒れた肌を整える働きがあり、ひび、しもやけ、切り傷、やけどなどあらゆるものに重宝されてきました。また抗菌力があるので、湿疹、にきび、水虫などにも。そのほか「角化症」を改善するため、足の「魚の目、たこ」などにも用いられてきました。
最近は、シコンエキスがシミやくすみを改善するという話がテレビ番組で話題になりましたが、それはシコンの高い抗酸化力によるものです。
シコンの成分は、シコニン、アセチルシコニンからなり、それらの成分が紫外線を和らげる働きが、薬草研究者の実験データによって報告されています。
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