植物療法とオーガニックコスメ

植物療法とオーガニックコスメ

 

ヒアルロン酸やコラーゲンは本当に効果があるの?

最近は、肌の科学と称して、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどの話が、いろいろなサイトにもよく出てきます。しかしそこで語られていることは、複雑な肌の働きのほんの一部にすぎません。

たしかに肌のハリや潤いにとって、ヒアルロン酸やセラミドは肌の中で大切な働きをしていますが、はたして人工的に作られたヒアルロン酸やコラーゲン、セラミドが本当に美容に役立つのかどうかは疑問です。

というのは、ヒアルロン酸やコラーゲン、セラミドは、それぞれの人の肌細胞の間で作られるものなので、厳密にいうと、その大きさや性質もそれぞれの人によって異なるからです。

人工的にヒアルロン酸やコラーゲン、セラミドを作る場合、原料となるのは、鶏のトサカ、豚や牛の筋肉部位、あるいはさまざまな植物ですが、それらから何らかの処理をして得られた成分です。多少似ていたとしても、人が本来、肌細胞で作り出すものとはずいぶん異なるものなのです。

近頃はオーガニックコスメにも、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどが良く配合されています。しかしそのような成分は、最近になって登場した新成分であり、処理法によってはむしろ肌にとって害になる可能性もあります。

ただ新しい肌の科学に裏付けられているようなイメージがあるために消費者を引き付けやすいせいかよく使われています。

伝統的な美容植物が活かされたオーガニックコスメ

本来のオーガニックコスメの効果は、肌にとって有効な働きがある植物の力によるものです。それらの植物の効果は、伝統的な植物療法に学んだものであり、何千年何百年も人々が使ってきて、本当に効果があって害がないものが今も伝えられているのです。 つまり長い年月をかけて効果や安全性が確認されており、いわば臨床実験済みというわけです。

ひとつの植物には何千もの成分が含まれている

たとえば合成成分のPG(プロピレングリコール)の場合、シンプルなひとつの化学式であらわすことが出来ます。「C3H8O2」というように。

いっぽう植物エキスには、何千という数多くの成分が含まれています。

たとえば薔薇は、芳香成分だけでも100種類以上。リナロール、ゲラニオール、ネロールなど、それぞれの化学式であらわされる成分になります。そのほかに薔薇には、糖類、脂質、ポリフェノール、色素、セルロース、ペクチンなどもさまざまな部位を構成するために必要な成分もあります。

もしひとつの植物エキスに含まれている成分をすべて化学式であらわすとしたら、何千にもなるわけで、全成分のラベルにすべて書くことは不可能でしょう。

というより、現代科学においてでさえ、薔薇について、すべての成分構成が完全にわかっているわけではなく、まだまだ未知の成分があると予想されています。これは薔薇に限ったことではなく、ラベンダーやカミツレ、ドクダミなど、他のどんな植物も同じく、まだまだ科学にとっても謎のままで神秘的な存在なのです。

ひとつの美容植物には、いくつもの効果がある

ひとつの植物は、そのように複合的な成分を含んでいるため、効果もただひとつではなく、複合的なものになります。

たとえば薔薇は、「肌にハリを与えてふっくらとさせる」、「荒れ肌を整える」、「くすみを明るくする」など、いくつもの嬉しい効果を持っています。

さらに薔薇は、乾燥肌に対しては皮脂分泌を促し、反対に油っぽい肌に対しては皮脂を抑える働きをしてくれます。不思議なことに薔薇は、その人の肌に合わせて働き、皮脂バランスを適正に保ってくれるのです。

そんなバラの働きは、まさにいくつもの複合的な成分が含まれているからなのです。

現在、地球上の植物の種類は約30万と考えられていますが、そのうち約1割の3万種類が、世界各地で健康に役立つ薬用植物とされて使われてきました。オーガニックコスメは、そのような神秘的な植物の力に敬意を払い、今も活用しているのです。

そのように複合的でかつ神秘的な植物の力を十全に発揮させるためには、ひとつの条件があります。人工的に作られた合成成分と混ぜないことです。

合成成分は、植物本来の力を抑えてしまい、本来の植物の効果を歪めてしまうからです。

つまり真のオーガニックコスメとは、伝統的な美容植物を活用する化粧品であり、一切の合成成分を使っていないこと、つまり天然成分100%であることが前提条件として求められます。

【野生植物の力を活用した化粧品作り】

今では野草と呼ばれている植物でも、昔は薬草として尊ばれてきたものが数多くあります。

たとえばドクダミ、ヨモギ、ハコベ、タンポポ、カキドオシなどなど、これらはかつて人々の健康を守り、スキンケアとしても用いられてきました。

悲しいことに、農薬を多用する現代農業が登場して以来、数多くの有用な野生植物が雑草と呼ばれ、絶滅の危機に瀕しています。

国産オーガニックコスメ「アルテ」は、世界各地に伝わる植物療法に学びながら、化粧品の処方を組んでいます。

「アルテ」は、山梨県に多様な野生植物を保護するオーガニックガーデンを作り、そのような野生植物の力を活用した化粧品「倭国シリーズ」を作っています。