アトピー症のためのスキンケア
痒みを和らげてくれる植物配合のオーガニックコスメ
前々回の特集で、アトピー改善のための食事療法について述べました。
アトピーの根本的な改善は、やはり食事ですが、いっぽうで普段から使っているシャンプーや化粧品を見直す必要もあります。
というのは、シャンプーや化粧品を通じて、「経皮毒」になって取り込んだ化学物質の体内蓄積が免疫システムを弱らせ、アトピーの症状を悪化させてしまうからです。
病院に行くと、通常、治療薬として出てくるのが、ステロイドです。たしかにステロイドは、一時的に痒みや症状を抑えますが、長期にわたって使用するうちに、さらに免疫システムを壊してしまう可能性もあり、そうなるとかえって悪化します。
「オーガニック生活便」としては、副作用のない植物の力でアトピーの症状を和らげることをおすすめします。
痒みを和らげる西洋のハーブ
痒みを和らげる植物として、西洋のハーブとしては、カミツレやラベンダーがよく知られています。この二つの植物には、抗炎症作用があり、湿疹や痒みのある肌を整えて、通常の状態に戻るように働いてくれます。
より早く痒みを治めてくれるのは、ラベンダーです。それに対して穏やかに働くのは、カミツレで、昔から子供や赤ちゃんのケアにも使われてきました。カミツレは「植物のお医者さん」とも呼ばれていますが、実は「天然の抗生物質」と評価する声もあります。
アトピーの場合、アルコールが入っていると刺激になることもあるので、ハーバルウォーターがおすすめです。カミツレまたはラベンダーのハーバルウォーターである程度、痒みを和らげることができます。
あるいはカミツレとラベンダーのハーブウォーターを混ぜて使ってもかまいません。
その他に、痒みを和らげてくれる植物が、薔薇とティーツリーです。
薔薇には、肌の調和をとり荒れた肌を再生する働きがあり、アトピーで乾燥がひどい肌に適しています。またティーツリーは、オーストラリアの先住民アボリジニが万能薬として使ってきた植物です。ティーツリーにも抗炎症作用と痒みを和らげる働きがあります。
ただし人の肌はそれぞれ違うので、どの植物が本当にその人に合うかは、実際に使ってみないとわからないというのが真実です。
とはいえこれらの植物にはいずれも、肌を整え、健康な肌の再生を促す働きがあるので、試してみたとしても悪い結果は出ません。より合うものを見つけるために、順番に試してみるのも良いのではと思います。
またハーバルウォーターだけでは乾燥が気になる場合は、ピュアなアーモンドオイルを1から2滴、ハーバルウォーターに混ぜてから、肌に伸ばしてください。
痒みケアに役立つ「和」の植物
いっぽう日本の植物の中にも、痒みケアに役立つものがあります。
ドクダミ、クリの葉、ビワの葉、ヨモギなどです。
ドクダミは、昔から虫刺されや痒み止めとして使われてきました。また湿疹を改善する働きもあります。
クリの葉は、湿疹、かぶれによく効きます。山歩きで草まけした時など生葉を揉んで擦りこむと、痒みが和らぐことが昔から知られてきました。痒みがひどい時は葉を煎じた液で患部を洗うか煎じ液を風呂に入れるのも良いようです。
ビワの葉には殺菌作用や鎮痛作用があるといわれています。 切り傷、やけど、皮膚炎、にきびなどの患部に1日数回塗ると痒みや痛みが収まり、虫刺されに塗ると痒みと腫れも収まります。からだ全体のむくみや消炎に利用すると効果的と考えられています。また水虫にも効果があると言われています。
ヨモギを水に浸して加熱し水抽出した液をヨモネオールと呼ぶことがあり、これが痒みを和らげることが知られています。
ドクダミやクリの葉を配合したローションとして、『漢萌』の「いぶき」という化粧水があります。こちらもアルコールフリーです。
アトピーの痒みを和らげるために、ぜひ植物の力を活用してください。
植物は、一時的な痒みを抑えるだけではなく、根本的な改善も促してくれます。
ただし植物が入っていても、合成成分が入り混じったものでは、かえってアトピーの痒みを悪化させます。
必ず合成成分を一切、使用していない、天然成分100%のオーガニックコスメを使ってください。