化粧品のヒアルロン酸やコラーゲンは効果があるの？

肌のハリをもたらすヒアルロン酸とは？

「加齢とともに肌のハリが無くなっていくのは、肌の中のヒアルロン酸が減ってしまうから」。そんな話をよく聞きます。

ところでいったいヒアルロン酸って何？

ヒアルロン酸は、１ｇあたり6リットルもの保湿力があるゼリー状の糖類で、真皮に存在し、肌を乾燥から守りながら、肌のハリや弾力になっています。

しかしヒアルロン酸の生成能力は、加齢とともに衰えていきます。

ヒアルロン酸の減少はすでに青年期から始まっており、たとえば７０代の方は、赤ちゃんと比較すると、なんと5分の1までに減少してしまいます。

肌の弾力を保つコラーゲンとは？

いっぽう肌のハリや弾力に関しては、コラーゲンの話もよく耳にします。

いったいコラーゲンとは？

コラーゲンはたんぱく質の１種で、真皮の７０～９０％を構成する網目状の成分です。より詳しく言うと、このコラーゲンの網間にゼリー状のヒアルロン酸が満たされて、肌のハリや弾力を保っているのです。

コラーゲンもヒアルロン酸と同じく加齢とともに減っていきます。身体の中でコラーゲン生成能力も衰えていくからです。肌を形作っている成分そのものがコラーゲンなので、コラーゲンが減少すると、ハリを失うため、たるみやしわができやすくなります。肌がたるむと毛穴も目立ちやすくなります。

化粧品のヒアルロン酸やコラーゲンは意味がない？！

「エイジングケアのためにぜひヒアルロン酸やコラーゲン配合の化粧品を使いましょう」という話もよく聞きます。

でも要注意！　その話は、科学的で理にかなっているように思われますが、かなり論理的に飛躍があります。

というのも化粧品に配合されたヒアルロン酸やコラーゲンは、人の肌のヒアルロン酸やコラーゲンとは、まったく別物だからです。

化粧品にふくまれているヒアルロン酸やコラーゲンは、動植物を原料にして人工的に作られたものですが、分子量が非常に大きいために、肌の真皮に入ることはできません。肌の表面にとどまったままなので、ちょっとした保湿効果くらいはあるかもしれませんが、そのヒアルロン酸やコラーゲンに合成防腐剤が含まれていることも多いので要注意です。合成成分によって、かえって肌のヒアルロン酸やコラーゲン生成能力が低下してしまう可能性があります。

食品やサプリメントの摂取も期待できない

ならば「フカヒレや手羽先などヒアルロン酸やコラーゲンを食事やサプリメントで補給しましょう」というおすすめもよく聞きます。しかし経口摂取によるヒアルロン酸やコラーゲンが体内でどうなるのかは明らかになっていません。

また最近は、皮膚科や美容外科でのヒアルロン酸注射も流行っていますが、一時的な効果があるように見えても、内出血や顔の腫れなどのトラブルも少なくありません。

いずれにしろ、化粧品成分のヒアルロン酸やコラーゲンは、そのまま肌の中でヒアルロン酸やコラーゲンになるわけではありません。

本来のヒアルロン酸やコラーゲンは、あくまでその人の身体によって生成されるものであり、化粧品や食事やサプリメントによって簡単に補えるものではないのです。

つまりヒアルロン酸とコラーゲン配合をうたう化粧品は、一見、科学的に見えますが、実際は消費者の思い込みや勘違いをうまく利用した化粧品ともいえそうです。

美容植物やシルクの力で穏やかな年齢肌ケアを

そもそも加齢は、すでに生まれたときから始まっており、それを止めることはどんなに科学が進歩しても不可能です。人の肉体もまた自然の循環の中に組み込まれているからです。

とはいえ、美容植物の力を使うことで、老化の速度を穏やかなものにすることは可能です。

老化を緩やかにする植物については、世界各地で伝えられてきています。

若々しい肌を保つのにとくに効果のある植物をいくつかあげると、やはりまずは薔薇。古代エジプト女王クレオパトラが愛した薔薇は、肌をふっくらとさせる効果があります。次に年齢肌ケアとして有名な植物がスイカズラ。中国の宮廷で作られた化粧品の主成分でした。

またローズマリーも７０代のハンガリー女王を若返らせたハーブとして有名です。女王が作った化粧水はローズマリーが主成分で「ハンガリアンウォーター」という名前で今も伝わっています。

そのほかクラリセージもまた女性ホルモンを活性化させるハーブとして有名です。クラリセージは抗酸化成分が豊富でシワやくすみもケアしてくれます。

ナチュラルな年齢肌ケアとして、最近、注目されているのがシルクです。液体に溶かしたシルクを肌に塗ると、実際に真皮内のコラーゲンが増加したという報告も出ています。

この場合、シルクがそのままコラーゲンになるわけではないのですが、シルクは、肌本来の働きをサポートすることによって、結果的に真皮内のコラーゲンを増やしてくれるのです。

年齢にふさわしい美の在り方を踏まえた上で、昔ながらの植物や自然素材を活用した化粧品を使っていくこと。そんなスキンケアは、人と自然の繋がりを感じさせ、心も豊かにハッピーにしてくれます。