おにぎりは、パ―フェクト食 自分で作る簡単調理フード、でも素材にはしっかりこだわる

おにぎりは、パ―フェクト食
自分で作る簡単調理フード、でも素材にはしっかりこだわる

知っていましたか? 実は栄養価が高いおにぎり

ちょっとしたブームになっているのが、昔ながらのおにぎりです。手軽なお弁当としてサンドイッチもありますが、最近は「ご馳走おにぎり」がヒットし、海外の観光客の間でも人気とのこと。子供たちと一緒におにぎりパーティーを開催するお母さんグループも増えています。

もっともシンプルなおにぎりの定番というと、「海苔を巻いた梅干し入りのおにぎり」。かつてはそんなおにぎりは、「素朴すぎて、あまり栄養がないのでは?」と冷ややかに見られていたこともありました。でも実はこの昔ながらのおにぎり、これひとつで栄養価はほぼパーフェクトと言えるすぐれものなのです。

梅干しひとつで腸内細菌を増やし、インフルエンザ予防にも! 

梅干しに含まれるクエン酸は疲労回復に役立つとともに、細菌の増殖を抑えておにぎりを腐りにくくする働きがあり、まさに外出時に携帯する食べ物として「梅おにぎり」は最適! またこのクエン酸は、カルシウムの吸収を良くするので、甘いものが大好きな女性を悩ます「骨粗しょう症」予防にも役立ちます。

さらに梅干しに豊富に含まれる乳酸菌は、腸内環境を整えて便秘や肥満予防になり、その結果、免疫力アップ、抗アレルギー効果などにもつながります。

 たとえばちょっと頭が重い、お腹の様子がちょっと変と感じるときは、一粒の梅干しをお茶と一緒に頂くだけですっきりすることがよくあります。最近の注目は、梅干しに含まれる「エポキシリオニレシノール」。インフルエンザウイルスを抑える働きがあります。

海苔には豊富なビタミン類やミネラル、なんとたんぱく質も!

海苔は、「海の野菜」とも言われ、数多くの種類のビタミン類やミネラルが含まれています。野菜不足のときは、海苔を1枚か2枚ほど食べるだけでも必要な栄養素を補うことができるほど。

黒い海苔からは意外ですが、毎日、多めに摂取することが推奨されているビタミンCも豊富です。ビタミンCは、体の酸化(老化)を防ぎ、エイジングケアにとって最も重要なビタミンです。

一般にビタミンCは熱に弱いのですが、海苔に含まれるビタミンCは熱にも強いのが特徴。そのため様々な調理で食べることができます。

そのほか海苔には、目の健康に必要なビタミンA、また疲労回復に役立つビタミンB1やB2も含まれています。

海苔に含まれるミネラルも多く、骨に必要なカルシウム、貧血対策になる鉄分、塩分のとりすぎを調整するカリウム、貴重な亜鉛などなど。昨今は、海苔に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)が脚光を浴びておりコレステロール値を下げる働きがあるだけではなく、がん予防に効果的と注目されています。

でも、おにぎりって、たんぱく質がないのではと思われがちですが、実は海苔には豊富なたんぱく質が含まれています。たんぱく質が豊富といえば大豆や肉類などのイメージがありますが、実は海苔にもかなりのたんぱく質が含まれています。海苔の厚さにもよりますが、海苔2枚で、ゆでた大豆約15gほどのたんぱく質が摂れるとか。

お米も有機栽培、玄米や胚芽米であれば、さらに栄養価アップ

そんな梅干しや海苔に加えて、お米が有機栽培、玄米または胚芽米であれば、さらにおにぎりの完全食度はぐんとアップします。

ヘルシーとはほど遠い食品添加物いっぱいのおにぎり

とはいえ、コンビニなどで販売されている「梅おにぎり」は食品添加物のオンパレード。

おにぎりの原材料ラベルを見て下さい。日持ちさせるための防腐剤、お米のふっくら感を長く保つための油や「リン酸塩」などの食品添加物を使用。リン酸塩は、「pH調整剤」、「乳化剤」、「香料」などにも隠れているので要注意です。

そのほか梅干しも、色をよくするための亜硫酸塩や合成色素、アミノ酸などの調味料、甘味料、数多くの食品添加物が使われています。

おにぎりと言えば、昔ながらの健康食というイメージがありますが、食品添加物いっぱいのおにぎりは、ヘルシーとは程遠い食べ物と言わざるを得ません。

簡単食のおにぎりは、自分の素手で作る

調理が簡単だからこそ、おにぎりはやっぱり自分で作るのがおすすめ。

ご飯は一度、多めに炊いて保温しておけば、いつでも手軽におにぎりを作れます。

こだわりのナチュラル素材を揃えておいて、安心安全のおにぎりライフを楽しみましょう。

お米、海苔、塩といずれも、食品添加物フリー、自然素材にこだわったものを選んでください。

「パーフェクトおにぎり」の原材料

  • お米

    無農薬米、玄米、または胚芽米でおにぎりを作ると、さらにビタミンやミネラルも豊富に!

  • 梅干し

    塩のみで長期熟成発酵させた梅干しで、一切の食品添加物を使っていないものを選ぶ。

  • 海苔

    味付けなどしていない自然な海苔、酸処理をしていない海苔がおいしい

  • 食卓塩ではなく、ミネラル豊富な海水から作った塩が良い。

「梅おにぎり」のほかに、おかか、塩昆布、サケ、味噌などなど、具を変えれば無限のバリエーションを楽しむことができます。

ただし最近は、おにぎりを作るとき、ビニール手袋を使う人も多いのですが、それはやめましょう! ビニール素材は石油から作られた化学物質なので、環境ホルモンになる可能性があります。またおにぎりを作った後、食品用ラップで包むのも同じ理由でおすすめできません。できれば経木やみつろうラップなど、自然なものでおにぎりを包むのがいいですね。

海苔が危ない!

通常、海苔は春と秋に採取されますが、とくに味が良いのは秋のものです。

福岡県の「成清海苔店」は、有明海の秋芽一番摘みだけを使用した海苔を酸処理もすることなく作ってきました。

しかし今年の秋芽期の海苔生産は、海苔師さんに「私は海苔師になって25年になるけど、こんな年は初めて」と言わせるほど、良質な海苔を取ることが難しくなっています。

そのため福岡有明海漁連の一番摘みの海苔生産枚数も昨年比8割ほどにとどまり、厳しい環境下で海苔の色合いも黒々とした昨年のものと比べ赤茶っぽいモノが多くなりました。

原因は、栄養分の不足からくる成育の遅れや、11月下旬の高温気候、それに伴う病害発生など。近年、ますます深刻化する地球環境汚染と温暖化が、多様な動植物の絶滅危惧につながっていますが、その影響はまさに私たちの食卓にも表れてきています。

昔ながらの本当においしい食材を守るためには、綺麗な環境を守るしかないのです。

こだわりのおにぎりのために