和のコスメで、本物の素肌美人になる

世界一美しい素肌美人が消えたわけは？

明治時代に日本に来るようになったヨーロッパの人々は、日本女性の素肌の美しさに驚いたと言われています。「世界一素肌が綺麗なのは日本女性」と評されるほど。

しかし最近は、その言葉とはかけ離れた実情になっています。毛穴の広がりや乾燥など、ざらざらした荒い肌に悩む人が増加の一途をたどっています。

その原因は、食生活が昔とはすっかり変わってしまったことや環境の汚染があげられますが、実はかなり大きな原因となっているのが現代の化粧品です。

何故、石油が化粧品に使われるようになったの？

悲しいことに現代女性は、美しくなるために使うはずの化粧品によって素肌が深刻なダメージを受けているのです。

なぜかというと、化粧品に数多くの石油系合成成分が使われるようになったからです。それは今から約８０年前のこと。自動車や飛行機、船舶の燃料として大量に使われるようになった石油が、化粧品にも使われるようになっているのです。

いったい何故そんなことになったのでしょうか？

掘り出された石油は精製によって、燃料にすることができるのですが、その精製過程で大量に使えない部分（一般に余剰生産物と称されていますがゴミというべきかも）が派生します。それをなんとか使えるようにしたいと考えた石油会社は、多額の開発費を出して化学者たちを動員して余剰生産物の利用を研究させ続けたのです。

その結果、農薬や医薬品、化粧品、香料、合成繊維、プラスチック製品、塗料など、ありとあらゆる分野で石油の「余剰生産物」から作った商品（化学物質）が登場して、大量生産と大量消費の時代がもたらされたのです。

暮らしの中から見つけられた和の美容植物

世界中のどこでもそして日本の昔の化粧品は、そのような石油とは無縁でした。暮らしの中で使われていた自然のものが美容品の原料になり、必要な分だけ手作りされていました。

日本の昔からよく使われてきた洗顔料と言えば、米ぬかでした。

米ぬかは汚れをよく落としてくれるだけではなく、良質のオイルやビタミン、ミネラルを豊富に含んでいるので、洗った後、適度なしっとり感を残してくれます。日本はもともと湿気が多い国ということもありますが、米ぬか洗顔によってクリームやオイルを使う必要はなかったようです。

現代科学の分野では、米ぬかには、天然の美白成分が含まれることも明らかになっています。

米ぬかにはγ－オリザノールというお米にしかない成分があり、シミの原因となるメラニンの産生を抑制する働きがあると言われており、シミ・そばかすを薄くし、くすみを除去する効果が期待できます。また多く含まれるビタミンEには抗酸化作用があり、メラニンの沈着を抑えるとともに紫外線から肌を守る効果が期待できます。

昔ながらの化粧水としてよく使われて来たのがへちま水です。さっぱりとしたへちま水ですが、別名「美人水」とも呼ばれていました。その名にふさわしくへちま水も米ぬかと同じく、保湿成分や天然美白成分が含まれています。朝鮮人参に匹敵するエイジンケアに役立つサポニン「プロトパナキサトリオール」が主成分として含まれ、肌荒れや日やけによるシミ、ソバカスを防ぎ、肌を整えてくれます。さらにへちま水は、肌の潤いと滑らかさを保つペクチン、多糖類、アミノ酸なども含まれ、長く日本の女性たちに愛されてきた理由があります。

ヘチマ水のほかによく化粧水としても使われてきたのがドクダミです。昔からドクダミは「十薬」というほどの薬効があることから薬草茶として飲まれてきましたが、美容的にも数多くの効果があることがわかっています。肌のくすみをとる、肌に蓄積した有害成分をデトックスするので吹き出物対策となり、さらにシミやくすみを薄くする天然美白成分などの働きがあることが報告されています。

そのほか日本では、切り傷や火傷のさいには、紫草の根からとれるシコンの軟膏が重宝されていました。

米ぬか、ヘチマ水、ドクダミ、シコンなどのほかに、ヨモギやビワの葉など、本当に身近にある素朴な植物が化粧品として使われていたのですが、結果的には「世界一きれいな素肌美人」を育んでくれていたのです。

美しい黒髪を育んだ海藻シャンプー

いっぽう昔のヘアケアもまたとてもシンプルで、髪に艶を与え、整えるために椿オイルが愛用されていました。

そしてたまに海藻のふのりを使った洗髪料で洗っていました。あるいは粘土も髪洗い粉として使われていたようです。

昔のヘアケアもスキンケア同様に身近な植物を用いた素朴なものでしたが、豊かな美しい艶のある黒髪を保っていたのです。当時は黒い髪が一番美しいと考えられていたので誰もほかの色に染めようとは思いませんでした。

メイクも必要としない素肌をもう一度

さて現代にいたって、私たちは科学がとても進歩して、昔とはまったく違った化粧品を使っていると考えています。

しかし昔はなかったような乾燥肌や敏感肌、吹き出物に悩む人が増え続けています。さらに深刻な場合は、酒さ皮膚炎など、肌が溶けてしまいケロイド状になってしまう人も少なくありません。

事実、ほとんどの現代女性は、素肌に自信がなく、カバーするためにメイク用品が欠かせなくなっています。

いっぽう昔の女性は、メイクも必要としなかったほどの素肌を誇っていました。

美容については、科学が進歩したと言うより、あまりに自然から遠ざかってしまったがために数多くの問題が噴出しているというべきでしょう。

素肌に本当の美と健康を取り戻したいのであれば、素朴な和の化粧品がその方法を教えてくれるように思われます。