オーガニックコットンのある暮らし

オーガニックコットンのある暮らし

日本から綿栽培が消えたのは?

日本で綿の栽培が始まったのは戦国時代から桃山時代にかけてのこと。以来麻とともに庶民の衣服の原料として、米と並ぶ農作物になりました。一時は200種以上の地方品種があったようです。

しかし、明治時代になって自動織機が発明されると状況が一変。綿製品の大量生産が可能になると同時に、中国から原綿を輸入するようになったのです。その結果、昭和30年代に日本産の綿は市場から消えてしまいました。

農薬が支える綿の大量生産

今や日本だけでなく、ヨーロッパのほとんどの国も綿を栽培していません。膨大な綿の需要を支えているのは中南米や中国、インド、アフリカなどの国です。また、アメリカでは”輸出振興”の名のもと、大量生産をさせるために政府が補助金を出しています。大量の綿を安く生産するためには、自然まかせでは不可能。どうしても環境に負担をかけざるを得ません。

綿花の大量生産はそれを好む害虫を呼び寄せます。害虫駆除の手間と人手を省くために使われるのは大量の殺虫剤。世界で使用されている殺虫剤の25%は綿花栽培によるもので、1種類の作物としては最大です。

農薬散布の果てに不毛の大地とさらなる貧困

綿栽培では、大量の農薬に加えて、収穫を早めるために枯葉剤を散布。徐々に土地は傷み、やせてしまいます。農薬散布を繰り返すうちに、砂漠のようになったり塩を吹いたりして、とうとう何も栽培することができなくなった畑も世界中にあるのです。

大量生産のためには、先進国から輸入される農薬や化学肥料が欠かせません。これらは大変高価なもので、農家は多額の借金をして買っています。農薬中毒に苦しむ農民も少なくありません。

遺伝子組み換えのオーガニックコットンも登場

近年、オーガニックコットンの人気が上昇していることもあり、遺伝子組み換えにより農薬が不要になった綿が「オーガニックコットン」として売られる例も出ています。 アメリカでは、遺伝子を組み換えによって農薬をかけても枯れない綿や、害虫が葉を食べると死ぬようになっている綿などが開発されています。 しかしオーガニックコットンが支持される理由は、環境に負担をかけないということですから、遺伝子組み換えのオーガニックコットンは、まさに「本末転倒」と言えるでしょう。

大量消費から環境を配慮したもの作りへ

買う側にすれば、ものの値段は安い方が良いでしょう。しかし、安いから使い捨てにできる、流行が変わったから新しいものを買うという私たちの消費行動によって、さまざまな問題が浮かび上がってきています。

農薬の大量使用による環境破壊だけでなく、大量の古着の廃棄によるゴミの問題にも目を向ける必要があります。

大量生産、大量消費、大量破棄という生活の在り方を、今まさに私たちは見直すときに来ています。

環境に配慮したものを、大切に長く使うこと。そんなふうに「モノ選びとモノとの付き合い方」が改めて求められているのではないでしょうか?

オーガニックコットンを毎日の暮らしに

多くのオーガニックコットン製品は、農薬を使わない栽培だけではなく、製品として仕上げるときには、柔軟剤や蛍光剤などの化学薬剤を使っていません。そのせいかオーガニックコットンは、素肌にふんわりと優しく感じられます。たとえば毎朝、顔を洗った後、オーガニックコットンのタオルに触れるだけで、なんだか幸せな気持ちになってしまいます。

またオーガニックコットンのインナー類は、シンプルだけどほっとやさしく素肌を包んでくれます。

お気に入りのオーガニックコットン製品を長く大切に使うことから、もっとやさしく地球と一緒に生きていく生活が見えてくるかもしれませんね。

おすすめオーガニックコットン

毎日の生活の中に、オーガニックコットンを取り入れませんか? 地球にやさしいオーガニックコットンの風合いは、素肌もほっとリラックスさせてくれることでしょう。