合成香料で化学物質過敏症に!
「香害」という言葉を知っていますか?
「香害」とは、合成洗剤や柔軟剤をはじめ、シャンプーやヘアスプレー、化粧品、香水に使われている合成香料によって頭痛やめまい、吐き気などの健康被害を生じることを言います。この症状がひどくなると化学物質過敏症へと移行してしまいます。
これは特定の人の問題ではありません。「香害」による健康被害は誰でもがなり得ることなのです。
「ずっと続く」の正体はマイクロカプセル
「香りがずっと続く」「消臭効果が続く」こんな宣伝文句を耳にしたことがあると思います。
「香害」は合成香料の人工的な香りが健康被害を引き起こすという問題でしたが、今は合成香料の被害にとどまらず、「香りがずっと続く」ように合成香料をさらに加工したマイクロカプセルの使用が大きな問題となっています。
なぜ、マイクロカプセルに加工すると香りがずっと続くのでしょう?
それはマイクロカプセルという1mmの1000分の1よりさらに小さい、目には見えない極小のカプセルが使われているからです。合成香料などの化学物質をこの極小なカプセルに加工します。このマイクロカプセルの素材は、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、ポリイソシアネートモノマーなどいわゆるプラスチックです。つまり目に見えない極小の化学物質の粒が、衣服に入り込み刺激を受ける度にはじけて合成香料を空気中に放つのです。
はじける度に効果を発揮できるのでずっと香り続けるのです。
そしてこのような洗剤や柔軟剤を使用して衣類に付いた香りは、マイクロカプセルという極小な粒子が衣類に入り込んでしまうためなかなか落ちません。
マイクロカプセル配合の洗剤や、柔軟剤を使用した衣服を身に着けているということは、常に化学物質を吸い込んでいるということです。長く使用していると着ている本人も健康被害にあうことになります。
それは、自分だけでなく周りにいる人にも被害を与えています。電車内や学校の教室内など同じ空間にいる人にも、またとなりのベランダで干している洗濯ものから漂う香りで被害にあう人もいます。
マイクロカプセルの危険性
マイクロカプセルが使用されているのは洗剤や柔軟剤だけではありません。ずっと効果が続くとうたわれる消臭剤にも、また防虫剤や殺虫剤にもマイクロカプセルを使用したものもあります。また農薬にも使用されています。
空気中に漂うマイクロカプセルを吸い込むと、極小なため直接、肺胞まで達すると言われています。それが毛細血管に入りこみ全身へと運ばれます。マイクロカプセルに使われているイソシアネートは、アレルギー喘息などを引き起こす毒性のある化合物と言われています。「香害」は合成香料の香りが原因とされていますが、それを包み込んでいるマイクロカプセルもまた原因の一つとみなされています。
ずっと効果が続くという効率面だけを見て、マイクロカプセルが安易に様々な用途で使用され、また新たに開発されつつありますが、人体や、生態系、環境に与える影響を考えると恐ろしいものがあります。
出来るだけ自然なものを使う生活を
香りは本来ふっと、ほのかに香るもので、強い香りがずっと続くことはありません。合成香料に慣れてしまった鼻は自然の香りを感じなくなってしまっています。
自分や家族の健康のためにも、環境のためにも、
合成香料を使った香りのものを避けて、自然の香りを楽しみましょう。
化学合成されたものを避けて、できるだけ自然なものを選んでオーガニック生活を楽しみましょう。