天然成分100%の化粧品の選び方

天然成分100%の化粧品の選び方

                  

ナチュラル&オーガニックコスメの基準

 現代の化粧品には、本当に驚くほど数多くの合成成分が使われています。

2010年、そのような現代の化粧品に対する疑問から、ヨーロッパでオーガニック&ナチュラルコスメ認証団体コスモスが設立され、翌年には、国際会議でコスメ基準を発表しました。「オーガニック生活便」スタッフもこの会議に参加しましたが、その基準では天然成分を推奨しているものの、16種類の石油由来の合成成分を「使用可」としていました。

その後の2017年、「日本オーガニックコスメ協会」が、独自にJOCAコスメ基準とJOCAマークを作りました。JOCA基準は、その化粧品が天然成分100%であることが基本なので、コスモス基準よりもさらに厳しいものです。すでに日本には、天然成分100%で製造された化粧品がかなり普及しているため、その基準が日本の現状に合っていると言えます。

石油産業から派生した化粧品の合成成分

 

 それにしても何故、現代化粧品には、これほど多くの合成成分が使われているのでしょうか?

長い人類史の中で、合成成分が化粧品の原料になったのは、ほんの約80年前からのこと。それまで化粧品は、植物、クレイ、鉱石のパウダーなど、天然成分だけで作られていました。

化粧品の原料が大きく変化したのは、石油産業の登場以降です。

産業革命の後、新たなエネルギーとして登場してきたのが、アメリカで大量採取が始まった石油でした。石油は、車、船舶、飛行機の燃料ですが、その精製過程で余剰生産物ナフサが出ます。この余剰生産物を再利用するために、多くの化学者が動員され、農薬、医薬品、プラスチック、衣類、そして化粧品の原料として普及していったのです。

肌の常在菌を減少させる合成成分

合成成分は少量であれば問題はないと言う考え方もありますが、まだ登場して間もない合成成分は、どんな影響を与えるかはわかっていません。

化粧品に配合された化学物質は、肌に棲んでいる有用な常在菌を減少させたり、死滅させてしまう可能性があります。常在菌は、肌の潤いを保ったり外の有害物質から守るなど、肌の健康にとって欠かせないものなのです。

天然成分100%の化粧品を選ぶには全成分をチェック

さて天然成分100%の化粧品を選ぶのなら、売り文句ではなく、しっかりと全成分を見てください。

ただ全成分を見ても、よくわからないという方が多いのではないでしょうか? 

たとえば「ラベンダーエキス」、「ローズエキス」、という成分名ですと、ラベンダーや薔薇からとった成分だとわかります。そのように具体的なイメージができる成分名は天然成分です。

しかし全成分には、「コカミドプロピルベタイン」、「ラウレス硫酸ナトリウム」、あるいは、BG、PGなどとなると、何もイメージが浮かばない成分名が多くあり、ほとんどが合成成分です。これらは、近代になって実験室で作られた化学物質であり、自然界にはない人工的な成分なので、具体的なものと結びつかず、イメージすることができないのです。

化粧品の合成成分の見分け方

天然成分100%の化粧品を選ぶために、成分名から合成成分を見分ける4つのポイントをあげます。

  • 化粧品は保存期間を長くするために防腐剤が使われています。

    一般的な化粧品にもっとも多く使われている合成防腐剤と言えば、「パラベン」です。パラベンは、メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベンなどの種類があります。

    そのほかナチュラルコスメと称する化粧品では、「フェノキシエタノール」という合成防腐剤がよく使われています。

    またコスモスの認証マークを取得した化粧品によく使われているのが「安息香酸Na(ナトリウム)」という合成防腐剤です。

    まずは、「パラベン」、「フェノキシエタノール」、そして「安息香酸Na」などの成分名だけは覚えておきましょう。たいてい化粧品の全成分の最後に出てきます。いずれも石油を原料としており、アレルギー性及び環境ホルモン性があると言われています。とくに最近、アメリカの化学者が、パラベンが「経皮毒」となって乳がんのリスクを高めると警告しています。

  • 「エチ」、「ポリ」、「プロ」、「イソ」、「ベン」
    という言葉がある成分名は、石油由来の化学物質です。

    例 ポリオキシエチレン、エチドロン酸、プロピルパラベン、イソプロピルメチルフェノール

  •  
  • アルファベットの成分名は、合成成分です。

    例、PEG、BG, EDTA

  • 数字が入っている成分名は、合成成分です。

    例 ラウレスー10,赤色101、ポリソルベート-80

以上の項目を頭に入れておくだけでも、合成成分を見つけやすくなります。とはいえ、年々新しい化粧品成分が作られて今や1万を超えており、見分けるのは難しくなってきています。

そんなときは、辞書やネットで検索するのもおすすめです。

「日本オーガニックコスメ協会」では、誰もが天然成分100%の化粧品を選べるように「JOCAオーガニックコスメ辞典」を発行したり、オーガニックコスメ・アドバイザー通信講座を開催しています。この講座の受講生は国内だけではなく、海外からの受講生も増えています。世界のどこでもやはり自然な化粧品こそが安心安全と考える女性たちが増えていることを実感しています。

「JOCAオーガニックコスメ辞典」

「オーガニック生活便」では、天然成分100%であるJOCAマークを取得した化粧品をお取り扱いしています。