「安心安全のハウスキーピング」 オーガニック雑貨で安全な住まいを守る
知らなかった!家の中にこんなにある、問題化学物質。なぜ、毎日、使っている日用品に アレルギーやガンの原因になるものが たくさんあるの?
今やほとんどすべての家庭用品に化学物質が使われていますが、危険性がすでに確認されている化学物質も多く使われているのが現状です。化学物質はアレルギー疾患の大きな原因のひとつとも言われています。今一度、日用品のひとつひとつを見直してみませんか。
現在一般的に販売されている家庭用品のほとんどすべてに化学物質が使われています。殺虫剤、合成洗剤、カビ取り剤、抗菌剤、衣服の防虫剤、容器、接着剤、靴クリーム、トイレの防臭剤、そしてガーデン用の農薬など……。次々と作られてきた化学物質は約10万種類。怖いのは、これらの化学物質の安全性についてデータがあるのは、わずか3%にすぎないということ。
化学物質が使われだしたのは、50年ほど前からです。使用後すぐに人体に影響があれば危険性に気づいて使用を避けることができますが、少しずつ体内を侵す化学物質に関しては、その危険性がきちんと分かるまでに長い年月がかかります。化学物質が使われ始めてから、まだ50年しかたっておらず、その安全性も3%しかわかっていないということは、確実には安全性が確認されていないといえるでしょう。
では、なぜこのような化学物質が使われているのでしょうか。現在大量に、そして安価に製造・販売するために使われているのが、主に石油から作られた化合物です。人工的に作り出した化学物質は、人体に有害であるだけではなく、自然分解せずに環境を汚染するものが多いのです。
しかし、安全への確かな目を持つことは、実はとても簡単なこと。まず、ラベルの成分表示を見てください。安心できる成分は、とてもシンプルなものです。除虫菊、ラベンダーやローズマリーなど、一目でイメージができます。しかし、人が新たに作った化学物質は、たとえば「ポリオキシ●●」のようにイメージできないものです。化学物質は、使用後すぐにトラブルがないから大丈夫、と思っている人は要注意です。危険な化学合成成分は、少しずつ体内に蓄積され、気づいたときには手遅れになってしまうのです。
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抗菌剤&芳香剤
衣類や靴下、寝具や紙おむつなどに「抗菌加工」と書かれたものが最近売られています。これらの商品の多くは、菌を寄せつけないための薬剤がしみこませてあります。例えば、繊維などの抗菌加工に使われているトリクロサンは動物実験で胎仔の死亡や奇形が報告されているほか、燃焼させるとダイオキシンを発生することがあるものです。
天然エッセンシャルオイルなら
安心です。
人工香料は主に石油を原料にしており、石油由来成分はアレルギーなどの原因となることが指摘されています。トイレの芳香・防臭剤に多用されているパラジクロロベンゼンは、トイレ内で揮発してアレルギー疾患を引き起こすことがあるなど、現在芳香・防臭剤に使われている成分のほとんどが、安全性の確認されていないものばかりです。
家の中で使える、安心安全な抗菌剤、芳香剤として、
天然の香り、つまり精油(エッセンシャルオイル)を使うことができます。
とくに抗菌力が高いものとては、ラベンダーやティトリ―、レモングラスなどがおすすめです。
これらの精油は、その抗菌力で空気を浄化してくれる働きがあります。
また精油の芳香成分が、部屋全体の香りを心地良く、リラックスできるものにしてくれます。
つまり精油ひとつで、抗菌剤にもなるし、芳香剤にもなるわけです。
もっともシンプルなのは、
お水を張った皿に、1,2滴入れておいておくという使い方があります。
香りは無くなったら、また足してください。
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台所用洗剤
台所用の洗浄剤には、「台所用石けん」と表示されているものを選びましょう。この表示があれば、洗浄成分の全てがせっけんであるということです。
「台所用複合石けん」や「合成洗剤」と表示された洗剤は、せっけん以外の合成界面活性剤が使われています。石油から作られた合成界面活性剤は肌を少しずつ侵し、皮膚のバリア機能を低下させるほか、ASなどの高級アルコール系の洗剤は、タンパク質を変性させる作用があります。食器などに残留した成分はアレルギーの原因になることもあります。さらに、排水の泡が消えないため、水質汚染の原因となるほか、化学成分が河川だけでなく土壌なども汚染します。
洗濯石鹸
一般的な洗濯洗剤もまた合成界面活性剤が洗浄成分として使われています。これまた「合成洗剤」です。原因不明の痒みや湿疹が、じつは合成の洗剤であることも、実はよくあります。合成界面活性剤は、分解しにくい化学物質なので、河川の汚染にもつながります。
石けんベースの洗濯洗剤に変えたら、痒みや湿疹が改善したという例がよくあります。赤ちゃんの衣類やタオル洗いは、安心安全な石けん洗剤にこだわりたいものです。
竹炭から作られた洗剤「かぐや姫の洗い水」は刺激が少ないので、とくに敏感肌やアレルギーに悩んでいる人におすすめです。また生理用品のナプキンなどを洗うのに適しています。
漂白剤
漂白剤は、酸化剤と還元剤を主成分として、化学作用によって汚れを落とします。汚れの分子に強制的に酸素原子を与えたり、取り去ったりすることによって汚れを分解し、無色化するのです。漂白剤には「塩素系」「酸素系」などの系別がありますが、特に塩素系漂白剤には、ほかの洗剤と混ざると有毒ガスを発生するものもあり、注意が必要です。漂白には安全性の高い酸素系漂白剤などを使いましょう。
プラスチック容器
プラスチック製品は、不完全燃焼するとダイオキシンを発生させます。また、加工する際に用いられる可塑剤、フタル酸エステルが環境ホルモンとして人体に悪影響を及ぼすことが指摘されています。
最近は、汚れがつきにくいという理由で、キッチンで使うまな板やそのほかのキッチン道具もプラスチック素材もものが多く出ています。
しかしプラスチックには、可塑剤のほかに、抗菌や色素など、様々な化学物質が練り込まれているため、調理したものに化学物質の影響が及びます。
キッチン用品は、木や竹など、自然素材のものにこだわりましょう。
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カビ取り剤
カビ取り剤には必ず「換気をよくして使いましょう」と書かれていますが、これは、それだけ危険性が高いということ。皮膚をただれさせてしまう次亜塩素酸、発ガン性のあるチア・ベンダ・ゾールなど、毒性の強い薬剤が多用されているので注意が必要です。使用時に頭痛や吐き気がするだけでなく、風呂場に残留した成分によって家族も体に影響を受け、そして排水に流れた後は川や海を汚染します。
カビ取り剤の代替として、たとえば、お風呂上がりに窓を開け、壁に冷水をかけるだけで、カビの発生は大幅に防げます。また、洗剤を使わなくても、ゴムやサンドペーパーなどでもきれいに落ちます。また、ラベンダーやヒノキの精油、木酢液や竹酢液をお風呂に入れれば、浴室の殺菌や、カビの予防になります。
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衣服用の防虫剤
衣料用防虫剤に使われるパラジクロロベンゼンは、中枢神経系の抑制作用があり、頭痛、めまい、全身倦怠などを引き起こします。
一般的に、衣料用防虫剤に使われる薬品は毒性の強いものが多く、揮発によって部屋の空気を汚染し、吸い込むだけでも健康を害します。
最近は、虫を寄せ付けない精油を選んでブレンドした香りで、衣類の防虫に役立つ製品が出ています。大切な衣類を守り、同時にからだを守るために、植物の香りの力を活用しましょう。
- 「家庭用品 危険度チェックブック」情報センター出版局
- 横浜市衛生研究所ホームページ