アルプスのハーブ物語
人生をもっと前向きに生きたいという人のためのハーブローズマリーのお話

魔法の若返りハーブ

ローズマリーの美容効果を世に知らしめたのは、「ハンガリー水」。それはハンガリーの女王を若返らせた化粧水の名前です。60歳を過ぎた女王がリュウマチを治すために、ローズマリーを飲んだり、マッサージに使ったりするうちに、見事、その症状が改善されました。さらにそればかりか、外見まで若々しくなり、70歳にしてポーランド王からプロポーズされたというエピソードがあります。 ローズマリーの血行を良くする性質は、昔からヨーロッパでは化粧品に使われてきました。素肌を若返らせる化粧水やクリーム、髪を増やすためのヘアーローションなどに使われています。

ローズマリーが、頭をよくするって本当ですか？

ローズマリーは花や葉の大きさなどで、さまざまな種類があり、その数は200種類ぐらい。

ローズマリーの精油は、その成分によって3種類に分けられます。 「ローズマリー・カンファー」「ローズマリー・１．８シネオール」「ローズマリー・ベルベノン」。

「ローズマリー・カンファー」は、樟脳に似た匂いのカンファー成分が強く、殺菌作用や防虫効果が高いものです。ただし刺激が強いので、素肌につけるときには、オイルで希釈する必要があります。 原産国はフランスです。

「ローズマリー・１．８シネオール」は、モロッコが原産地。「ローズマリー・カンファー」よりも刺激が少ないので、敏感肌に人にはこちらがオススメです。シャンプーや化粧品にもこちらが多く使われます。

「ローズマリー・ベルベノン」はカンファーと同じ成分が強いものですが、水に溶けやすいという性質があるために貴重なものとされており、価格的にも高価なものです。

これらのローズマリーの精油は、いずれも、からだに対しては血行促進や活力、こころに対しては気分を高めてくれます。

朝がどうも弱いという人にもローズマリーの精油は期待できます。また女性に多い冷え症対策にもマッサージなどで使ってほしいローズマリーです。 ただ妊娠中にはローズマリーは使わないほうがいいと言われています。月経を促す作用があるために。流産してしまう可能性があるそうです。 ところで、ローズマリーの香りが頭を良くしてくれるって、本当でしょうか。 ローズマリーの香りは、あたまの血行をよくするので、記憶力が増すとか。何かの試験で一夜漬けの必要に迫られた人は、ぜひローズマリーの香りをディフューザーで活用したり、お茶にして飲んだりしてみてください。

料理やお茶においしいローズマリーの種類は？

ローズマリーをハーブティーや料理に使うと、体を温めてくれる作用があるので、冷え症の人はぜひ使いこなしてほしいハーブです。料理やティーとして楽しむためにローズマリーを育てたいひとは、まず刺激成分であるカンファーが少ない種類を選ぶこと。おすすめは「レックス」という種類のローズマリー。これは葉が大きくて、味がマイルドなので使いやすいそうです。

サラダなどに散らしてエディブルフラワーとして楽しみたいなら、花つきがいい「セバンシー」という名のローズマリー。花の紫色が濃く、しなやかな枝なのでハンギングでだらりと下がる形を楽しんだりもできます。

可憐なピンク色の花を楽しみたいというのであれば「マジョルカ」です。その他料理やお茶においしいローズマリーは、「マリン・ブルー」あるいは「トウキョウ」などがあります。

ローズマリーと相性のいい食材は何といってもポテト。塩茹でしたジャガイモにオリーブオイルをふり、あとは塩と刻んだローズマリーをふってオーブンで軽く火を入れます。ジャガイモのほくほく感とローズマリーの香りがぴったりとあってうれしくなってしまいます。

ビタミンＣたっぷりのジャガイモとからだを温かくしてくれるローズマリーの組み合わせは冬の風邪予防対策にもなります。

またピクルスを作るときにもよく使われ、加工食品の保存期間を長くしてくれます。ただしローズマリーの量は少なめに。多すぎると薬臭くなってしまい、おいしさとはほど遠いものになってしまいます。

人生を応援してくれるハーブ、ローズマリー

もともと地中海原産と言われているローズマリー。ローズマリーは「元気」がテーマです。 カミツレやラベンダーなどのハーブが「抑制」する効果があるのに対して、ローズマリーは活力を「促進」するという性質があります。 「頭をよくする」、「活力をつける」、「若返り」と、ローズマリーは、人生をもっと前向きに生きたい人を応援してくれるハーブです。 ローズマリーは、ストレスの多い現代人にぜひ親しんでもらいたいハーブです。