世界のオーガニックコスメ認証基準の現状 その3
~消費者に信頼されるオーガニックコスメ認証基準を求めて~
【世界のコスメ基準は統一ベースがなく、認証団体によって異なる】
現在、オーガニック食品(農産物、加工食品)の認証については、「世界統一的」な認証基準のベースがあり、それはIFOAM(国際有機農業運動連盟)が作ったものです。しかしオーガニックコスメについては、様々な基準があり、「世界統一的」な基準のベースとなるものはありません。
団体の基準の相違点
それでは、各認証団体のコスメ基準は、どのような点で異なっているのでしょうか。
ここでは、世界でも比較的よく知られた以下の認証団体を取り上げ、それぞれの基準の相違を検証します。
【ヨーロッパでの新たなコスメ認証団体設立の動き】

ヨーロッパでは、オーガニックコスメの「世界統一的」な認証基準を目指す動きが出てきており、その目的を持って2008年には、コスメ認証機関 ■「ネイトゥルー」が、そして2010年には、コスメ認証機関「コスモス」が設立されました。
「コスモス」設立に参加したのは、先にあげた認証団体のうちの5団体で、★「エコサート」、★「コスメビオ」、★「英国土壌協会」、★「イチェア」、★「BDIH」です。
「コスモス」は、設立から8年後の2017年から、5団体の間での統一コスメ基準で認証を行っています。
【認証基準における石油系成分の使用の有無】

各認証団体のコスメ認証基準の違いにおいて、もっとも重要なポイントは、
石油系合成成分の使用について認めているか認めていないかです。
つまり石油系合成成分の一部を認めるコスメ認証基準と、一切、認めていないコスメ認証基準があります。
石油系合成成分の一部を認めるコスメ認証基準を定めているのは、「ネイトゥルー」と、5団体(エコサート、コスメビオ、英国土壌協会、イチェア、BDIH)が設立した「コスモス」です。
それに対して石油系合成成分を一切認めないコスメ認証基準を定めているのは、アメリカの▲「USDAオーガニック」、ドイツの▲「デメター」です。
すなわち「USDAオーガニック」および「デメター」は、「コスモス」及び「ネイトゥルー」よりも厳しいコスメ基準を定めています。
またオーストアリアの●「ACO」ですが、こちらは従来、石油系合成成分を認めないコスメ認証基準を定めてきましたが、2013年に新たに「コスモス」のメンバーに加わったため、「コスモス」基準に従うこととなり、石油合成成分の一部を認めるコスメ基準に変わりました。
(表 世界の認証基準の相違)
【「コスモス」基準と「旧表示指定成分」】
今、世界的に注目されているのは、
「世界統一的」なコスメ認証基準を目指している「コスモス」です。しかし先に述べたように、
「コスモス」では、いくつかの石油由来の合成成分も「使用可」となっていることが消費者の立場からは納得しにくいものと言えます。
◆コスモスで使用可とされている石油系合成成分◆
配合目的 |
成分名 |
原料 |
|
合成界面活性剤 |
|
コカミドプロピルベタイン |
石油+植物 |
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アルキルアンホアセテート/ジアセテート |
石油+植物 |
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アルキルグルコシドカルボン |
石油+植物 |
|
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ラウリン酸ヘキシル |
石油+植物 |
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防腐剤&殺菌剤 |
|
安息香酸およびその塩類 |
石油 |
旧表示指定成分 |
|
ソルビン酸およびその塩類 |
石油 |
旧表示指定成分 |
|
サリチル酸およびその塩 |
石油 |
旧表示指定成分 |
|
デヒドロ酢酸およびその塩 |
石油 |
旧表示指定成分 |
|
ベンジルアルコール |
石油 |
旧表示指定成分 |
その他の合成成分 |
乳化安定剤 |
セテリアルアルコール |
石油 |
旧表示指定成分 |
エモリエント剤 |
炭酸ジカプリリル |
石油+植物 |
|
増粘剤 |
カルボキシメチルセルロース |
石油+植物 |
|
帯電防止剤、増粘剤 |
グアーヒドロキシプロピルトリモニウ |
石油 |
|
帯電防止剤 |
ジステアロイルエチルジモニウムクロリド |
石油+植物 |
|
石けんのキレート剤 |
グルタミン酸二酢酸(四)ナトリウム |
石油+植物 |
|
とくに気になることは、コスモス認証基準において、「使用可」とされている石油系合成成分の中には、1980年に、日本の旧厚生省が、表示義務を定めた「102種類の旧表示指定成分」に該当するものがあることです。
「安息香酸とその塩」、「ソルビン酸とその塩」、「サルチル酸とその塩」、「ベンジルアルコール」、「デヒドロ酢酸」などですが、これらは防腐剤や殺菌剤として用いられている成分です。
「102種類の旧表示指定成分」は、アレルギー性がある成分として、旧厚生省がラベルに表示するようにと義務づけていた成分です。
「コスモス」基準については、「何故、日本ではアレルギー性があるとされた『旧表示指定成分』が、ヨーロッパのコスメ認証基準において認められているのか」という疑問が、日本の消費者の間に湧きあがることは避けられません。
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