2010年、ヨーロッパで有名な5つの認証団体(エコサート、BDIH、イチェア、コスメビオ、英国土壌協会)が集まって、オーガニックコスメ認証団体「コスモス」を設立しました。その後に開かれた国際会議では、「コスモス」は、いくつかの石油由来合成成分を「使用可」とすることを発表しました。(この国際会議に参加した「日本オーガニックコスメ協会」は、石油由来合成成分を「使用可」とすることに反対する立場を表明しました)。
そして2017年には、実際にコスモス認証の実地が始まりました。今後、ヨーロッパの認証基準は、世界的に大きな影響を及ぼすことが予想されます。
しかし、オーガニックコスメに石油由来成分が「使用可」になっている基準は、オーガニックコスメに対する消費者の信頼を大きく揺るがしかねません。
そのため「日本オーガニックコスメ協会」は、独自で、石油由来合成成分を一切「使用可」としないJOCA推奨品基準(天然成分100%をベースとした基準)を作ることを決め、またJOCA推奨品マークを作りました。
天然100%というJOCA推奨品基準は、とくに日本においてはたんなる理想ではなく、現実的なものです。その理由は、今や、日本の化粧品製造技術は、天然成分100%で作ることにおいて、世界一といって水準に達しているからです。そのため、実際に市場には、天然成分100%で作られたオーガニックコスメが数多く出ています。
そうした日本の背景を踏まえて、「日本オーガニックコスメ」協会は、安全性と品質ともにすぐれた「ジャパン・オーガニックコスメ」をJOCA推奨品基準とともに世界に向けて発信していく活動に力を入れていきます。
JOCA推奨品マーク
「JOCA推奨品」に使われる、基本的な原料は、自然界で循環することが出来、自然界のバランスを壊すことがないものであることです。
※ 植物エキスの抽出溶剤は、「水、発酵醸造エタノール、植物油、グリセリン」など、天然成分の溶剤を使うことが条件になります。いっぽうで石油の合成成分(BG)などの溶剤の使用は認めていません。
※ 天然成分について
ここでは天然成分という言葉は、化粧品に使うことのできる安心安全な天然成分に限って使われています。そのため、あらかじめ人体に対して毒性があるもの(トリカブトなど)は含まれていません。また天然成分という意味は、植物原料から作られているということではなく、自然界にある本来の分子構造が化学処理などによって壊されていないものを指しています。
例)鯨油、馬油、鶏のトサカから得られるヒアルロン酸、サメから得られるスクワレンなど。
※ただし殺傷しなくても得られる羊毛由来のラノリンなどは、動物愛護の精神を尊ぶEUの基準に準じて使用可としています。
「JOCA推奨品」基準は、基本原料が天然成分であることに加えて、その製造方法及び製造過程においても合成成分を使わないことを求めています。