知っていますか?
実は合成繊維の衣類もマイクロプラスチックになってしまうことを。
ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維の衣服を洗濯すると、何十万ものマイクロプラスチック繊維がはがれて放出してしまいます。
衣服を洗濯することで生じるポリエステル繊維は微細で、下水処理場で引っかかることなく通りすぎて流れていきます。その後、もっと細かなマイクロプラスチックになりながら海へと向かいます。
また「Environmental Science and Technology」誌(アメリカ)に発表された研究によると、ポリエステル製の衣服を着て生活するだけでも、マイクロプラスチック繊維が空気中に放出されてしまうとのこと。当然ながら空気中に漂うマイクロプラスチックを吸い込んでしまうと、健康を害する可能性は否定できません。
マイクロプラスチック繊維が室内に浮遊することを考えると、衣類のほかのクッション類やカーテンなどもできれば天然繊維の製品が望ましいです。
インド、カンボジア、チリ、ケニアでは、衣類のゴミ山問題が浮上しています。古着として販売するために輸入された衣類ですが、売り物にならなかったものが違法に捨てられているのです。
衣類のゴミ山問題が深刻化しているのは、現代の衣類の半分以上が、ポリエステルやナイロン、アクリルなどの合成繊維で作られるようになったため。コットンやシルクと異なり、自然界で分解できないプラスチックと同じようなものなので、衣類のゴミ山は年々大きくなるばかり。合成繊維は外界にさらされているうちにより微細なマイクロプラスチックとなって大気、水、土壌の汚染物質となります。
当然ながら、合成繊維は化石原料由来なので、温暖化の要因にもなっています。つまり衣服を大量に作ること自体が地球環境を悪化させているわけで、流行やファッションをあおる衣類産業のあり方を改めて考え直すことが求められています。
衣類は、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維ではなく、コットン、シルク、麻などの天然素材の衣類を選びましょう。
農薬を使わずに栽培されるオーガニックコットンはとくにおすすめです。
合成繊維は、自然界で巡回できないだけではなく、素肌にもストレスを与えて乾燥させ、しばしば肌のくすみを引き起こします。
いっぽうコットン、シルク、麻などの天然繊維は、自然界で循環できる素材で、マイクロプラスチックになる不安もありません。また素肌にもやさしく、汗を吸収したり程よい湿気を保ってくれたりと、体にとって心地よい環境を保ってくれます。
流行にあおられることなく、お気に入りの天然素材の衣服を長く大切に着るーー
それが再び未来のライフスタイルになることでしょう。