酸処理をしていない、昔ながらの味わい
酸処理をしていない、有明産の秋芽一番摘みを使用。磯の香りのする、懐かしい味わいの海苔です。
通常、海苔の収穫時は春と秋ですが、「成清海苔店」は「秋芽一番摘み」だけを使用しています。秋芽のものが柔らかくおいしいからです。じつは海苔は、万能的な栄養分を持っています。不足しがちなカルシウムを補給するのも最適。さらに海苔は、ビタミンA,E,Cなども豊富で、細胞を強くして免疫力をつけるので、アレルギーの予防にもなります。もちろん、とてもたよりになるアンチエイジング美容食材です。
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「成清海苔店」のこだわり
1.海の環境を守りたいから、「酸処理」をしない
通常、海苔は酸処理がされています。ツヤのある黒々した海苔は見るからに美味しそうですが、このツヤと黒さは養殖中の海苔にリンゴ酸やクエン酸をくぐらせる「酸処理」が行われているためです。この処理は海苔の生産現場では一般的に行われており、その目的は海苔の病気を防ぎ、見た目をきれいにするためです。
「成清海苔店」2代目の成清忠さんが作る海苔は酸処理がされていません。成清さんによると酸処理をしないのは、まず海や環境を守りたいという思いからです。
「酸処理に使われるリンゴ酸やクエン酸といった有機酸で、処理自体、人間に害があるという根拠は今のところありません。でも、有機酸を海にばらまくことが問題だと思います。海は大量に有機酸がまかれると、自浄能力で無機にする力が働くので、その過程で膨大な酸素を必要とするため、海の中が酸欠状態になってしまい、魚介類が減ってしまうからです。また、プランクトンの異常発生により、海苔にミネラルが回らず、色落ちの原因になったりします。海の生態系には問題が多い処理です」。
酸処理をしていない海苔は、海を守るだけではなく、味わいも昔ながらのものだということです。
2.おいしい海苔を作るために、年1回の秋芽一番にこだわる
良い海苔の選定が海苔作りの前提です。通常、海苔は春と秋に収穫されます。海苔の秋芽の収穫時は11月初旬から1月まで続きますが、「成清海苔店」は、その最初に収穫した「秋芽一番摘み」だけを使用しています。その理由は、秋芽一番摘みはやわらかく、香りが良いためです。
「成清海苔店」の店主は、「量より質」に徹しています。「皿垣漁港産」の秋芽一番摘みを、店主が吟味して仕入れています。安全にこだわるため、二番摘み以降の海苔(酸による活性化処理が行われています)は仕入れません。そのため年一回の仕入れに限っています。
3.光をいっぱい浴びる養殖方法だから、旨みが豊富
「成清海苔店」で仕入れている「皿垣漁協」では、養殖網を海面より上に引き上げ、太陽にあてる「干出」という手間をかけて海苔の病気を防いでいます。太陽にあたると海苔は赤くなりますが、うまみ成分のアミノ酸が増えて美味しくなるのです。いわゆる「支柱方式」で、四六時中、海に浸かりっぱなしの「浮流し方式」とは異なります。
4.「成清海苔店」独自の焼きの技術で、さらにおいしく
「酸処理」をせず、有明産の秋芽一番摘みを使用している「成清海苔店」の海苔を丁寧に焼き上げます。
焼きは、海苔を表面から焼く技術ではなく、芯から丁寧に焙煎します。海苔本来の風味と極上の舌ざわりを引き出す「成清海苔店」独自の技術です。
5.見た目ではなく、海苔本来の味わいを大切にする
海苔は色やツヤなどの外観が評価の基準で、少々小さな穴が空いていたり、青海苔が付着していたりすると、格付けが下がってしまいます。しかし、成清さんが取引している「皿垣漁協」は、7~8年前に「最近の海苔は、海苔本来の味じゃない。本来の海苔の味を取り戻したい」との思いから、実際に海苔を一枚一枚焼いて食べ、うまかったもの上位にランクする『味検査』を行うようになりました。「少々色が悪くても、うまかったら1ランク上げます。「酸処理」を行わない海苔には、「海苔本来の味がある」と言います。「皿垣漁港」は、先駆けて味検査を導入するなど、海苔の見かけよりも「うまさ」にこだわった海苔づくりを行っています。
秋芽一番摘の海苔ができるまで
「成清海苔店」が使っている、秋芽一番摘みの海苔は、とても手間ひまをかけて育てられています。昔と変わらぬ養殖法によって、おいしさが際立つ海苔が出来あがります。
春、海苔のタネ作り
海苔の養殖は、春ごろから始まります。まず、かき殻に、海苔の「糸状体」をもぐりこませます。
海苔は海藻の仲間なので、「糸状体」も光合成をして栄養(窒素、リン)を吸収します。なので、かき殻糸状体を育てるときは、海苔が病気や栄養不足にならないように細かな健康管理が必要になります。
約3ヶ月たつと、真っ白いかき殻に少しずつ胞子の黒い斑点が現れ始めます。
秋、海苔のタネ付け
海水温が下がる9月半ばごろから10月上旬になると、成長した「糸状体」は分裂し、「殻胞子(かくほうし)」を放出します。この殻胞子が海苔のタネにあたります。
この殻胞子を網につけるのが「タネ付け」です。毎日、「糸状体」の熟し状態を顕微鏡で確認しながら、海苔のタネを厚くもなく薄くもなく網につける作業は、繊細な技術が必要です。
熟した糸状体のついたかき殻1~2個を入れた「落下傘(らっかさん)」と呼ばれるビニール袋に入れて、30~35枚重ねた網の下に吊るします。
海苔の養殖は、台風や長雨、残暑など自然的条件に左右されやすいので、水温と胞子の放出のタイミングをうまく合わせることが、その年の海苔の味に大きく影響します。
さまざまな困難を乗り越えて育てる、育苗期
育苗期は、1年で1番生産者の方が神経を使う季節です。この時期は、年によって残暑や台風などがあり、気温や水温が不安定な時期です。これらを乗り越えてはじめておいしい海苔が作れるのです。
タネをつけた海苔網は、網を重ね張りした常態で海苔の芽を育て、珪藻やバクテリアの付着に注意しながら網の重ね枚数を減らしていきます。網の海苔の芽が2cm位出てくれば、20~25枚に重ねられていた網は、15枚、10枚、5枚とじょじょに重ね枚数を減らし1枚張りに展開していきます。養殖網の一部を残して、残りの網は冷凍保管をします。
収穫のとき
海苔の芽は、半月ほどで20cmくらいに伸び、収穫できるほどの長さになります。
産地によって収穫時期は異なりますが、有明海では11月中旬から始まり、翌年の3~4月まで収穫は続きます。
一度収穫した海苔網は、その後2週間で再収穫が可能になります。このサイクルを4回ほど繰り返して、冷凍しておいた次の海苔網に交換します。
製造工程(図)
収穫後の流れ
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水洗い
陸揚げした海苔の原藻には珪藻が付着しているため、まず海水できれいに洗って珪藻を除去します。その後、真水で洗浄し細かくミンチ状に裁断します。
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脱水
ミンチされた海苔は、ノリ簀(す)に流し込まれ、抄き工程へ。抄かれた海苔は、すぐにスポンジで脱水されます。
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乾燥
乾燥装置に入り、熱風で水分を10%前後に乾燥させます。40~80℃の温度を保ちながら約2~3時間かけて乾かします。
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袋詰め
乾かした海苔は、検出機で品質チェックが行われ、10枚ずつ2つ折りにされ、袋詰めされ出荷します。
こうした工程を経て、お客様の食卓に「成清海苔店」のこだわりの海苔が並ぶのです。
商品番号:803885