<髪の健康はシャンプー選びから>
髪にもからだにも自然にもやさしい石けんシャンプー
安心できる洗浄剤には石けんがあります。約5,000年も前から使われてきた石けんは人体への安全性が立証されており、排水も微生物のエサになるほど。環境へも負担も問題ありません。洗浄力は高いのですが、皮膚を溶かす力はなく汚れだけを落とします。でも、石けんシャンプーを使いはじめると、以下のような変化を感じる人が多いようです。
| 石けんシャンプーで髪がギシギシに? 石けんシャンプーを使い始めて数週間から数ヶ月は、独特にギシギシ感に悩まされる人も少なくありません。合成シャンプーで痛んだ髪の人ほど、石けんシャンプーに切り替えた時の落差に驚きます。自分の髪とは思えないくらいに、洗い上がりの手触りがひどいものに感じることもあるでしょう。それは、合成シャンプーに含まれるような「ごまかし剤」がいっさい入っていないため、その髪のダメージそのままの状態が出るからです。 |
| 石けんシャンプーにしてからフケが増えた 石けんシャンプーにしたらフケが出るようになったという声も聞きますが、それは合成界面活性剤の破壊力に対抗して厚くなっていた皮膚の角質が、本来の姿に戻る過程ではがれ落ちてきたからです。 また、フケと勘違いされるものに石けんカスがありますが、たっぷりの泡で二度洗いし、しっかりすすぐという基本を守ることでしだいに出なくなります。 |
| 洗った後に、髪がきしんで扱いにくい 洗ったあとのきしみは、石けんの成分によって髪がアルカリ性に傾いたために起こるもので、リンスをすることによって解消されます。石けんシャンプー用のリンスのほか、酢やレモン汁、クエン酸などをお湯にたらしてリンスすることで中和され、キュッと引き締まったなめらかな感触になります。 |
最初の試練を乗り越えて石けんシャンプーを使い続けていくと、だんだんと石けんシャンプーしか知らないきれいな髪が根元から伸びてきます。その髪を触ってみてください。なめらかな感触と自然な髪のつややかさにびっくりすることでしょう。
石けんシャンプーの選び方
〝石けん〟シャンプーと言うからには、固形石けんで髪を洗ってもOKです。ですが、石けんシャンプーとして売られている液体のもののほうが使いやすいと思う人が多いかもしれません。
まがいものもありますので、きちんと成分表示を見て選びましょう。「石けん素地」、「カリ石けん素地」のほか、石けんベースのものは、「オレイン酸K(またはNa)」、「パルミチン酸K(またはNa)」、「脂肪酸K(またはNa)」などと書かれています。
髪質や長さによっても合うシャンプーは異なりますので、いろいろなメーカーのものを試してみましょう。また髪にいいといわれる精油やハーブを入れてヘアケア効果を高めたり、香りのバリエーションを楽しむのもおすすめです。
石けんシャンプー後はリンスで中和
石けんは弱アルカリ性なので、洗髪後には中和して弱酸性に戻してあげます。そのために使う酸性剤が本来のリンスです。リンスもまた天然の原料でできている製品を選んでください。またリンゴ酢やレモンなどキッチンにあるものもリンスとして使うことができます。
米のとぎ汁やふのり、クレイなどで洗う場合はとくにリンスの必要はありませんが、石けんシャンプーはアルカリ性ですから使用後に酸性のもので髪を中和してあげなければなりません。石けんでアルカリに傾いた髪を中和する役割を担うのがリンスです。クエン酸を水で溶いて使ったり、レモン汁や食用の酢を使うのもいい方法です。
米酢でもワインビネガーでも酢であればリンスに利用できますが、匂いがきつすぎず使いやすいのはリンゴ酢です。小さじ2杯ほどを取り、その日の気分で好きな香りのエッセンシャルオイルを数滴落とせばあっという間にリンスのできあがり。
またオーガニックなリンゴ酢にローズマリーやタイム、ジャーマンカモミールなどをつけ込んでおけば、リンスにも料理にもすぐに使えて便利です。
石けんシャンプー以外の天然のヘアケア用品 クレイはまさに大地そのものの恵み
ミネラル豊富な粘土「クレイ」で髪を洗ってみませんか?
石けんシャンプーがどうしても苦手な人におすすめ
世界中で採れるさまざまな粘土(クレイ)は、長い間人々の洗髪や肌の手入れに用いられてきました。中でもモロッコで取れる「ガッスール」という粘土は「女性を美しくする神秘の粘土」と呼ばれ、中性から北アフリカや中東の人々に親しまれてきたものです。かつて日本でも「髪洗い粉」と呼ばれる洗髪料が使われていましたら、それも粘土から作られたものでした。優れた吸着力で汚れを取り除き、さっぱりと洗い上げます。
和の素材で髪にツヤとしなやかさを取り戻す
和の素材を使ったヘアケアで髪を守る、いたわる。
古くから日本の女性に愛されてきた和のコスメの確かな実力
明治時代、日本を訪れた外国人が日本女性の髪と肌の美しさに驚いたと言われています。彼女たちのたっぷりと量感のある美しい黒髪を守ってきたのは洗髪に使う海藻や粘土、そして椿油などの和の素材でした。髪が本当に健康で美しい人が少なくなってしまった今、ぜひもう一度、和のヘアケア用品を見直したいもの。うれしいことに和の素材は、髪そのものを元気にしてくれる栄養分たっぷりなので、ダメージを受けた髪もゆっくりと元に戻してくれる力があるそうです。
スペシャルケアで、健康な頭皮と髪へ 髪にもスペシャルケアを。ヘアパックでつややかな髪に。
日々のお手入れにヘアパックをプラスして、さらにつややかな髪を手に入れましょう。シャンプー前に植物油と精油でマッサージすると、血行がよくなり白髪や抜け毛が減っていきます。髪のためだけではなく、さわやかな香りで精神的な疲れもすっきり解消できます。
ヘアケアも日々のシャンプー&リンスで洗うことだけではなく、もっと積極的にケアをして美しく輝く髪を手に入れたい。そんな場合におすすめしたいのは、やはり、頭髪用オイルとして長い伝統のある椿油です。
椿油は日本原種のヤブツバキの実から採れる油で、日本固有のものです。遣唐使の頃から中国への土産品として喜ばれていました。る場木油はオリーブオイルよりもオレイン酸含有量が多く非常に酸化しにくいのが特徴です。また主成分が人間の皮脂に含まれる成分と同じなので、ヘアケアにもスキンケアにも最適なオイルだと言えます。
化粧品やマッサージオイルとしてはあまりなじみがないかもしれませあんが、欧米でも、酸化しにくい「カメリアオイル」として知られ、精油の木借用オイルとしてよく使われています。椿油は皮膚や髪にすんばりとなじんで、保湿効果も抜群。シャンプー前にマッサージオイルやヘアパックとして使えば、洗ったあとのパサつきも解消されます。