フランスでも一番人気がある精油は、ラベンダー
南仏プロヴァンス地方では初夏、ラベンダー畑に花が咲き、まるで美しい紫色のじゅうたんを敷き詰めたような光景がひろがります。朝晩の冷え込みの激しいこの地方の、「水はけがよい」というよりむしろ「水持ちがしない」というほどのやせた土地で、ラベンダーは、同じ畑にほかの雑草を生えさせないくらいに強く生きています。
ラベンダーほど愛されている植物はないのではと思われるくらい、南仏の人たちは、石けんに使ったり、ドライフラワーにしてサシェにしたりと、生活の中にラベンダーを採り入れています。また、ラベンダーの花につくミツバチから採れるハチミツは、ほんのり良い香りがする美味なもので、フランスでは大人気。花そのものだけでなく、花につくミツバチまで特別なのです。これほどにラベンダーは愛されています。
さまざまなエッセンシャルオイル(精油)の中で、最も愛され、使いやすいのがラベンダー。独特のすがすがしい香りがストレスを和らげることはよく知られていますが、ラベンダーのパワーは香りだけではなく、たとえば切り傷や火傷に直接オイルを塗ると、驚くほどの効果を発揮します。南仏の農家では、傷薬としてラベンダーのオイルを常備しているといいます。
ラベンダーはラテン語の「洗う」という意味の「ラワーレ」という語が由来です。殺菌・消毒効果があるため、古代ローマ人は入浴時に使ってからだを清潔に保ったり、衣類の虫除けに使ってきました。精神にも生活にもパワーを発揮する、まさに万能のオイルです。
直接、肌に塗っても安心
一般的に、精油は濃縮されたエキスのなので刺激が強く、肌に塗る場合は、希釈する必要があります。原液を肌に直接塗ったり、飲用したりすると皮膚や粘膜がただれてしまうのです。
しかしラベンダーは、直接の塗布や飲用が可能な、数少ないオイルのひとつです。最も使いやすいオイルともいえます。アロマを生活に採り入れる最初の一本に、ラベンダーから始めてみてはいかがですか?
洗濯、掃除、室内の香りもラベンダーが大活躍 梅雨のジメジメした時期の洗濯物は、パリッと乾かなくて、嫌な匂いが気になります。ラベンダーには雑菌や真菌(カビ)の繁殖を抑える力があるので、オイルを洗濯槽に数滴落としたり、洗濯物にさっとスプレーしてりしてみましょう。殺菌作用だけでなく、ほのかな香りが残るので一石二鳥。 掃除のときに雑巾に1摘しみこませる、お風呂上りに床に1摘落として熱いシャワーをかけてオイルをとばす、という使い方も。住宅洗剤や防カビ剤で手があれてしまう人は、ラベンダーであらかじめ室内を消毒・防カビしておけば安心です。 |
バッグにラベンダー一本あるだけで安心 「朝から偏頭痛がつらい」「目立つニキビができてしまった!」「咳がとまらない」など、オフィスや外出先でのピンチに、ラベンダーオイルは大活躍。ハンカチに一滴落として香りを吸いこむと、呼吸器のトラブルや頭痛が軽くなります。ゆっくり深呼吸すると、落ち着かない気分もゆったり。大事な会議やテストの前にはラベンダーの力を借りることにしましょう。 また、肌のトラブルには直接幹部に数滴塗ってください。にきびには効果大です。さらに、こんな使い方も。靴のニオイが気になるときには、靴に一滴。急にお座敷に上がらなければならないときにも慌てません。まさに困ったときのラベンダー頼み!(直接塗ったり、口に入れたりする場合は、オイルが安全なものか確認してください) |
バスタイムにラベンダを一滴 一日の中で最もリラックスできる時間がバスタイム。お風呂にラベンダーオイルを落として、皮膚から、嗅覚からと、全身でラベンダーの力を感じてください。バスタブにエッセンシャルオイルを落とすと、直接、肌に触れて火傷のようになってしまうこともあるので、ミルクなどで希釈する必要がありますが、ラベンダーはそのまま原液を使っても大丈夫です。 ラベンダーの精油には、新しい細胞の成長を促し、皮脂の分泌バランスをとる作用があります。火傷と日焼けのほてり、ニキビ、湿疹、乾癬など、ほとんどすべての皮膚トラブルを改善してしまいます。 次に香りの効果について。言わずと知れたリラックス作用ですが、なぜラベンダーの香りをかぐと心が落ち着くのでしょうか。それは、単に良い香りをかぐという気分的なものではなく、香りの成分が鼻から吸いこまれ、脳に作用するのです。ラベンダーには中枢神経系のバランスをとる働きがあり、心理的な不調や怒りを和らげ、精神を浄化します。嫌なことがあった日は、お風呂に数滴のラベンダーをたらして、電気を消したまま入浴してみましょう。心の疲れがとれて、夜ぐっすり眠れます。 |
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