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2009年5月26日up

ついに「竹小舞」ワークショップをやりました!!

「竹小舞」の実技指導からスタート。「竹を切り割っていきます」と簡単に言う松枝職人ですが、こんな硬い竹が割れるの?と不安そうな顔、顔

いざ作業が始まると、たくましい女性たちが集まっていることが判明しました。ナタやのこぎりを手にし、梯子にも登りと、まさに女の時代ですね

写真左上:これぞ伝統の「竹小舞」。竹ひごを編むように麻縄でくくっていきます。とても美しいですねえ
写真左下:とにかくやるぞ!!女性パワー爆発のポーズです
写真右:お昼は佐藤文彦さんの運営する有機レストランで。 テーブルには、とりたて野菜と玄米、そして走り回っている鶏の卵が並びました

麻縄で前も後ろもバッテン印となるように縛っていきます。早くも伝統の技を習得しました

だんだん出来上がってきました。やればなんとかなる!効率とは対極の家作りのせいか、気分までゆったり

写真左:運よく土壁に適した土も見つけました。土とワラと水を練っていきます
写真右上:土壁練りが泥んこ遊びになってきました。からだと土地がアースして気持ちいいですよ!
写真右下:地元の美女たちがワークショップを見学に来ました。「今時、こんなことをする人たちもいるのねえ……」と言う言葉は、感心されているのか?呆れられているのか?

どうにか「竹小舞」の伝統技を全員習得!最初は不安でしたが、最後は自信をつけて一回り大きくなった感じです

素人ができるのか?伝統の「竹小舞」

千葉の香取市で開催した「竹小舞ワークショップ」は、朝10時半からスタートしました。集まったのは総勢24名。東京、千葉、栃木と、関東各地からでした。

最初に「竹小舞」職人の松枝さん(「自称縄文大工」)が、「竹小舞」の原材料作りを披露。切り出して乾かしておいた竹をまずナタで半分に切り先き、さらにその半分に切り裂いて、 さらに切り裂くことを繰り返して、約2センチ幅の竹ひごを作るというのです。ナタでまっすぐに、硬い竹を切り裂くのは、たいへんな力仕事。細くなるほどに、切り裂くのが難しくなっていきます。ベテランの松枝さんさえ、「ウー」とか「イー」とか唸り声をあげながらの作業です。

見守るうちに全員、汗がたらり……、「ムムッ、これって素人ができることではないんじゃない。まさに伝統というか工芸の技を必要とするものでは……」と、この竹小舞ワークショップの企画者の一人、山納さんも心がなえていくのが顔に出ていました。

おまけに手間のかかる竹ひごが、小さな納屋でも「約240本!も要るかな」と言う松枝さんののどかな声を聞いて、眩暈がしてきました。とても一日で終わるはずがない……。どうなってしまうことやら。

伝統の技に果敢に挑む女たち

しかし企画者の不安にも関わらず、ふと周りを見渡すと、凄いですね!
アイシスの女性スタッフは、細腕でナタをふるい、ガンガンと竹ひご作りにチャレンジしていました。(じつはおかげで月曜日に出社したときには、ドアを開けれないほど手が痛くなってしまいました)そしてもう一人の女性スタッフも、果敢にのこぎりを手にし、竹を切っていました。ボランティアスタッフで来てくれた女性陣もナタやのこぎりを手にしてがんばっています。もちろん普段はナタやのこぎりを手にしたことがない女性たちです。いざとなれば女性はたくましい!と言う言葉は本当です。

いっぽう男声陣はこの作業に関わる人が少なく、竹ひご作りを避けている雰囲気です。「男性たちもやってくださいね!」という女性の掛け声に、ようやく全員、参加となりました。

さして竹ひご作業が進まないうちに、お昼になりました。「いったいどうなってしまうのか」という心配げな山納さんの顔。それはともあれ、付近の有機農家の佐藤文彦さんのレストランに並んだ有機野菜の料理をおいしくいただきました。圧力釜で炊いた玄米ご飯がおいしく、つかの間、「竹小舞」なんてできるの?という不安を忘れました。

竹ひごを麻縄で縛る地道な作業が続く

午後、再び、作業開始。最初は、途方もない作業に思われましたが、だんだんみなさんの手が早くなってきました。竹の割り方、力の入れ方にコツを覚えて、それなりに技術を習得してきたようです。

なんとか竹ひごを作る作業が見えてきたところで、次はいよいよ建物に竹ひごを編みこむ作業に入りました。まずは、たてにシノ竹をとりつけ、次に交差する形に、横に竹ひごを麻縄で縛って一本一本固定していくのです。「紐が、裏も表もバッテン印を描くようにします」と松枝さんから実技指導を受けましたが、これまた気が遠くなるような手間がかかる作業です。でも全員手を動かし続けるうちにそれなりに、麻縄で竹ひごをくくりつける作業が早くなってきました。

5時半、陽が沈み始めたところで、「竹小舞」ワークショップを終えました。予定の全部ではありませんが、3分の2ほどが完了!朝は、竹ひごを20本作ればそれで終わってしまうのではと心配していましたが、「やればなんとかなる!」とい自信が湧いてきました。あらためて昔の家が時間をかけて作られたことを実感しました。

昔の時間が流れるワークショップ

できるかぎりその土地にあるもので建物を作ってみようという「竹小舞」ワークショップでしたが、いざやってみると、手間がかかること、かかること。なるほどこれでは現代人が、手間のかからない家作りに走るのは無理はないと思いました。

しかしそのいっぽうで、「時間がかかること」は、何かを教えてくれているとも感じました。麻縄で一本一本、竹ひごを縛る作業を黙々と続けているうちに、不思議に心にもゆったりとした時間が流れ始めてきました。ふと気がつくと、「現代の時間」ではなく、「昔の時間」のなかにいて、効率などを忘れてやさしい気持ちになっていました。そんなゆったりとしたやさしい時間の中で、昔の人は総出で一軒の家作りの手伝いをしながら、親交を深めたのだろうという光景も見えてきました。つまり誰かの家を作ることは、人間関係を深めるためのワークショップだったのですね。

土壁に適した土を発見しました!

来週5月31日は、いよいよ土壁塗りです。すでに土壁研究家の木村さんは、「竹小舞」ワークショップをしている傍らで、まずアイシスガーデンの中で土壁に適した土を探し出し、穴掘りを始めていました。けっこういい土が見つかり、運がいいとのことでした。できるだけその土地に近いところの材料を使うという趣旨を貫くことができたわけです。掘り出した土にワラと水を混ぜ、泥揉みをしました。(ちなみにワラもアイシスガイアネットらしくオーガニック。佐藤文彦さんからもらいました)。

3人が素足になって、ワラと泥を混ぜ合わせる泥揉みをしました。ワラの菌によって発酵が始まり、土が壁につきやすくなるのです。今の家のほとんどの壁は、その土地で見つけた素材ではなく、どこからか運んでくるのが当たり前になっている時代です。「今時、こんな土壁をやろうなんて人はいませんよ」と楽しそうに言う木村さん。次の「土壁塗り」ワークショップがとても楽しみになってきました。

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