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ムードではなく成分知識で選ぶ基礎化粧品

いつまでも若々しく健康な素肌を保ちたい、もっと輝く素肌を手に入れたいという願いをこめて、毎日のケアに使う基礎化粧品。しかし、現代には問題の多い化学成分が含まれた化粧品がたくさん存在するのも事実。基礎化粧品は、不安な化学成分を避け、安全な自然の成分で作られたものを、しっかりラベルをチェックして選びたいものです。

石油由来の化学成分がなぜ危いか知っていますか?

化粧品の中身が、成分を見ただけではどんなものが入っているかわからないものになってしまったのは、いったいいつの頃からでしょうか。現在、デパートやスーパーの売り場に並ぶ製品のほとんどが、石油から合成された化学成分で作られた化粧品です。

化粧品が石油原料で作られるようになった理由は、まず安いこと。もうひとつは、腐らないということ。腐らないという性質は、保存期間が長く安定した流通させやすい化粧品を作ることを可能にしました。

化学成分で作られた化粧品が使われるようになったのは、じつはほんの40~50年前のこと。その歴史はまだ浅く、今になってやっと素肌にさまざまなトラブルを引き起こすことがわかってきているのです。短い使用期間でははっきりと自覚できる害がなくても、毒性はだんだんと蓄積されていくのが怖いところです。

美しい素肌を取り戻すための基礎化粧品だから、不安な化学成分を避け、しっかりラベルをチェックして選びたいですね。

洗顔料
洗顔料に使われる合成界面活性剤の不安

「スキンケアの中でももっとも大切なのは洗顔」というのは、よく耳にする言葉ですね。自分の素肌に合った洗顔料で、必要なうるおいや油分を残してやさしく洗い上げる、これも常識となりつつあります。
でも、ひとくちに洗顔料といってもいろいろなタイプのものが店先に並んでいて、どれがいいのか迷ってしまいます。どんなものが成分に含まれているか、わかりにくことも不安なところです。

市販の多くの洗顔料に使われている合成界面活性剤は、毛穴の汚れだけでなく皮膚の表面の組織まで溶かしてしまいます。さらには肌に必要な油分まで取り去られ、使い続けるうちに皮膚が本来もつバリア機能が次第に壊されていき、いつも乾燥してカサカサした状態になってしまいます。これが、合成界面活性剤入りの洗顔料が乾燥肌の原因になるゆえんです。

合成界面活性剤

ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなど

合成界面活性剤は、安価で大量生産しやすい代わりに毒性が強く、肌にダメージを与えていきます。なかなか解毒されない性質があるので、肌本来のバリア機能を壊しながら体内で蓄積されてしまうのです。

安全なのは大豆レシチン、グリセリン、ミツロウ、石けん素地など。これら以外の界面活性剤はたいてい合成界面活性剤です。

複雑な化学式のような薬品の名前は、合成界面活性剤であることが多いようです。

石けん、クレイ、穀物は素肌にやさしい天然の洗浄成分

では、本当に素肌のためになる洗顔料とは、どんな洗浄成分を使ったものなのでしょうか。

たとえば昔ながらの製法の石けん、天然の粘土であるクレイや穀物の粉などがあります。
素肌への安全性だけではなく、素肌を洗い上げる力も信頼できるものが長い時間をかけて選ばれてきました。

おなじみの石けんに含まれる洗浄成分は、天然の界面活性剤。同じ界面活性剤と言っても、天然のものと合成のものとではまったく異なる性質を持っています。石けんは、汚れを落としながらも皮膚を溶かしたりすることがないので安心できます。

とくに素肌が敏感で石けんでは洗浄力が強すぎるという人の場合は、クレイや穀類の粉末を使った洗顔がおすすめです。普段はとくに刺激が気にならない人も、素肌が乾燥気味のときや疲れがたまって素肌に元気がないときなどに使うとしっとり落ち着いた洗い上がりに。

クレイはしばらく顔にのせておけばそのままパックとしての働きもしてくれます。昔ながらのあずきの粉や米ぬかを使った洗顔もまた、洗い心地は穏やかながらもしっかり効果を実感できることでしょう。

化粧水
みずみずしい肌は美しさの第一条件

ツルツルの肌、顔色のよさ、元気な肌、化粧のり、トラブルがない肌・・・・・・肌の美しさにはいろいろあっても、共通して言えるのは、肌がしっかり水分を保っているということ。

保湿は見た目だけの問題ではありません。肌の水分量が足りないと、水分の膜がつくるバリア機能が落ち、空気中の汚れやアレルギー物質の影響をすぐに受けてしまいます。かゆみの主な原因も水分不足と言われます。

しっかり保湿して素肌本来の持つ力を取り戻せば、皮脂分泌のバランスがよくなり、とくに乾燥が気になるとき以外は、毎日のお手入れは化粧水だけでも十分なほどです。

冷暖房、パソコンや電子機器の帯電などが原因で、私たちの肌は年間を通じて乾燥しやすくなっています。外気にさらされて毎日がんばる肌に、たっぷり水分を補給してあげましょう。

化学成分の防腐剤を使っていない化粧水を選びたい

現在市販されている化粧水のほとんどに、パラベンなどの防腐剤が使われています。腐敗は水分が多いところで進むからです。

よく聞かれるのが、「腐ってしまうよりは、化学成分でも防腐剤が入っていたほうが安心では?」という言葉。たしかに腐敗したものを肌にのせればトラブルの元になります。でも、腐らせないために使用されている化学成分は本当に大丈夫なのでしょうか。雑菌を殺す化学薬品は、必ず肌を刺激し、ダメージを与えます。使ってすぐにトラブルにならなくても安心できないのが怖いところで、使っていくうちに肌の機能を少しずつ壊していきます。

化学成分にたよらなくても、植物には殺菌効果・抗酸化効果を持つものがたくさんあります。植物のエキスは、ブレンドすると相乗効果を発揮してよりいっそうの効果を生み出す性質があります。

たとえば、化粧水にローズマリーエキスを配合すると、ローズマリーは殺菌効果をもつので雑菌の繁殖を防ぐだけでなく、保湿、収斂効果もあるので肌にも効果を発揮します。さらにその化粧水に含まれるほかの植物エキスのもつ力もより強く引き出すのです。こんなすばらしい効果は、植物のパワーならではのもの。現代の進歩した科学でも、化学薬品にはまねのできないことです。

そのほか、お茶、笹、ヒノキチオール、グレープフルーツエキスなど、天然防腐剤は多くあり、これらを使用する自然派メーカーが増えています。

防腐剤

パラベン、パラベン化合物(メチルパラベンと表記)、安息香酸、安息香酸Na、フェノキシエタノールなど

自然派コスメをうたっていても、じつはたくさんの危険な化学成分が配合されていることが少なくありません。防腐剤で植物の力を殺してしまっては、自然派の意味もありません。買う前に必ずラベルチェックしましょう。

<パラベン、パラベン化合物>
人間のホルモンを狂わす環境ホルモンの疑いがあります。刺激が強く、つけた後に湿疹やかゆみを引き起こすことがあります。

<安息香酸、安息香酸Na>
皮膚や粘膜、目や喉に刺激を与えます。安息香酸化合物は変異原性、染色体異常の報告もある毒性の強いものです。

<フェノキシエタノール>
これも環境ホルモンの疑いのある防腐剤です。


クリーム
クリームを作る際の乳化剤に要注意

クリームがどうやって作れるか知っていますか?。
油分と水分を、ちょうどよいバランスで合わせることで、しっとりとしたクリームができあがります。

でも、本来水分と油は分離してしまうもの。水分と油分を混ぜることを「乳化」といい、そこで必要なのが「界面活性剤」と呼ばれるものです。また「界面活性剤」は洗顔料の洗浄成分としても使われています。

多くのクリームには化学成分の乳化剤、合成界面活性剤が使われています。合成界面活性剤は、安価で大量生産しやすい代わりに、肌にダメージを与える毒性の強いもので、肌本体のバリア機能を壊していきます。

天然の乳化剤としてよく使われるのが、手作りコスメでもおなじみのレシチン。レシチンは卵や大豆に含まれる成分です。もちろん、せっけんにも界面活性剤としての働きがあり、乳化剤の役割を果たします。せっけんは天然のものなので、肌に安全。それだけでなく、洗い流しても自然と分解するので環境も守ります。

乳化剤

トリエタノールアミン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸塩、ノニフェノールなど

おもにシャンプーや洗顔料、クレンジングなどの洗浄剤として、または化粧品の乳化に使われます。

石油から作られる合成の界面活性剤は、皮膚のバリアゾーンを壊して皮脂腺の機能を低下させます。皮脂が分泌されなくなった肌は次第に乾燥していきます。

バリアゾーンが壊れてしまったあとは、通常では皮膚から取り入れられない危険性の高い化学物質(発ガン性物質や環境ホルモンの恐れがあるもの)が体内に取り込まれて、合成界面活性剤とともに脂肪や肝臓に蓄積されていきます。

鉱物油ではなく、植物油をベースにしたクリームを

クリームに使われるオイルが何から作られたものなのか、買う前にきちんと知っておきたいもの。植物オイルは、原料となる植物によってさまざまな効果があるからです。

植物本来の持つパワーを最大限に活かすため、精製方法も重要。精製の途中で捨てられてしまう成分にも、多大な効果をもつ植物エキスがつまっています。精製されすぎないほうが、肌への効果は大きいのです。もちろん原料となる植物は、無農薬、有機栽培しているものを選びたいものです。

気をつけたいのが、鉱物油を使っているもの。石油から精製された油分は、植物オイルが持つような肌への効果がいっさいないだけでなく、かゆみや湿疹、長年使い続けるうちに肌本来の機能を弱らせてシワやシミの原因になったりします。

鉱物油

流動パラフィン、ベンジルアルコール、エステルなど

石油化合物のオイルを総称して鉱物油といいます。鉱物油は安価で製品が安定しやすいので、多くの化粧品に長い間使われ続けています。

鉱物油は皮膚呼吸を妨げて肌の老化をまねき、肌本来のバリア機能を少しずつ壊しながら、シミやシワを作っていきます。また、生産過程で毒性の強い化学物質が排出されるため、環境への悪影響も問題です。最近は鉱物油の害が一般的に認知されはじめ、「鉱物油無添加」と書かれる自然派化粧品が多くなりました。

「ミネラルオイル」と表示されているものは、「鉱物油」。目になるというと肌に良いイメージですが、とんでもない!まぎらわしい表示には要注意です。化学物質の名前を覚えなくても、植物オイルした表示されていない化粧品を選べば大丈夫です。