2014年12月5日up
アイシス・ウィーン支部から6回目の記事が届きました。
「フライウング(Freyung)オーガニックマーケット」。広場には、オーストリアの噴水(Austriabrunnen)があります。
フレッシュな野菜や果物、ハーブを生産・販売されているBiohof Priber(オーガニック農家 プリバー)のヴォルフガングさんです。
赤く熟れた旬の苺
Priberさんのイチゴを食べる愛犬ルビー
オーストリア名物といえばアスパラ
取材を終えて、ヴォルフガングさんと。
フレユンク・オーガニックマーケットの向かい側には、 フェルステル宮殿( Palais Ferstel)のショッピング通りがあります。
オーストリアの有機農地の割合は、今、約20%。ヨーロッパ一の有機農地の割合が多い国です。オーストリア政府も積極的に有機農家を増やしていくために支援をしています。
(アイシス編集部・編集長水上洋子)
ウィーンのオーガニックマーケット その2
Biohof Priber(オーガニック農家 プリバー)
先の記事で、ウィーン市内のフライウング(Freyung)のオーガニックマーケットを紹介しましたが、その中で出会った有機農家の方にインタビューし、どんな思いで農産物を作っているのか、生の声を聞きました。
オーガニックは味が濃厚!
- いつからオーガニックに関心を持ち始めたのですか?
- ヴォルフガング 僕の両親が祖母から農園を受け継いで、1989年にオーガニック農園に切り替えました。だから僕はオーガニック農家と一緒に育ったんですよ。
- ヴォルフガングさんは、なぜまたオーガニック農園を始めようと思ったのでしょうか?
-
ヴォルフガング 僕の農園は家族経営の本当に小さな農園ですから、大量生産や市場の要求に合わせて生産することは生活上、不可能でした。しかしながら、少量で生産して、直接、消費者へ販売する形であれば農場経営が可能だったんです。
- その形であれば、オーガニック農園は最適だったのですね。
-
ヴォルフガング そうですね。それに何より、オーガニックは自然にも僕たちにも優しいしね。 自然に優しい育て方をすれば、自然はそれに応えておいしい実りを僕たちに与えてくれるんですよ。
- ということは、やはりオーガニックでない農産物と比べると、味も違うのでしょうか?
-
ヴォルフガング もちろん! 味はより濃厚ですよ!
- 納得です。この前、食べたイチゴはとても甘くて感動しました。私の愛犬もオーガニックのものは喜んで食べるんですよ。
-
ヴォルフガング それは、うれしいですね。
小規模栽培でも、多様な種類の旬のビオ農産物を届けたい
- オーガニック農園を経営していく上で、困難なことはどんなことですか?
- ヴォルフガング オーガニック農園は化学除草剤、化学殺虫剤、化学肥料を断念しなくてはいけないので、労力がかかるために商品としての農産物が高くなってしまうことですね。商品が高くなれば、当然のことながら市場では売れ行きがあまり良くなくなりますから農園経営自体が難しくなってしまうんです。
- 経営は難しい問題ですね。でも、化学薬品を使用していないから、特にフルーツを食べている時に感じる薬のような苦味がなくておいしいです。そのおいしさは、何ものにも変えがたいものですよね。 オーガニック農園の切り替えには何年かかりましたか?
- ヴォルフガング 2年もかかりました。
- 土地の改良から作物が実るまで、根気のいる仕事だったことでしょうね。
- ヴォルフガング 本当にそうでしたね。
- ところで、オーガニックマーケットをウィーンのフライウング(Freyung)にオープンしたきっかけは何ですか?
- ヴォルフガング ブルゲンランドの僕の農園のある地域はお客さん(住民)が少ないので、1999年に妻と一緒にフライウングFreyungオーガニックマーケットでの販売を始めたんですよ。
- オーガニック農園プリバーさんのコンセプトは何でしょうか?
- ヴォルフガング 多様性と革新的であることです! 小規模農園であるけれども、果物から野菜、ハーブに至るまで沢山の種類のオーガニック食材を消費者の皆さんにお届けできるように努力しています。
- 今は、何種類の商品を栽培していますか?
- ヴォルフガング 20~30種類の野菜、様々な果物を育てていて、旬の食材を最もおいしい時期に食卓にお届けできるように販売しています。
- こちらで販売されているものは全てプリバーさんの農園で採れた旬の食材なのですか。
- ヴォルフガング うちで採れたものがほとんどですが、オーストリアがシーズン外の時はイタリアのオーガニック農家から輸入しています。例えば、こちらのアプリコットです。でも、味はオーストリアの方がいいと思いますよ。 今のオーストリアの旬は、こちらのアスパラガスや大黄、ビーツなどで、お勧めですよ。
日本では馴染みの少ない食材もオーガニック商品で沢山! 子供の頃、学校帰りに道端の大黄を舐めながら帰ってきたのを思い出し懐かしくなりました。今日は、お勧めの旬の食材を買ってさっそくおいしい料理を作ってみようと思いました!
Freyungオーガニックマーケットシリーズとして 他店も徐々に紹介していけたらなと思っています。 お楽しみに☆ (ゼマンみのり 2014年6月に取材)
《Freyungオーガニックマーケット情報!》
毎週金・土曜日 am 9:00 – pm 18:00
Freyung, 1010 Wien
ホーフブルグ宮殿、シュテファンズドーム、ケルントナー通り、 グラーベン通り、フォルクスガーデンなどから徒歩数分ですので、 観光に来られた方にもお勧めですよ。