自然療法で健やかなからだと心をキープ
自然療法とは、私たちの周りの
さまざまな自然物の力を借り、
自らの自然治癒力や免疫力を高めることで
病気を予防したり治していくこと。
その自然物とは、アロマやハーブなど
本当に私たちの身近にあるものです。
副作用がある薬などの問題が
クローズアップされている今、
現代医学にすべてを頼るのではなく、
昔ながらの自然療法を見直してみませんか。
私たちの医療の中心となっている現代医学は近代文明の発達により急速に発展してきたもの。そして、その効果はそれまでの自然療法を魔女狩りや迷信として一蹴してしまうほど、化学的な理論に裏付けされた絶大な効果を持つものと信じられてきました。
でも、今になって、副作用のある薬や悪い部分を即座に切り取る処方や医者の言葉にノーと言えない患者の立場など、現代医学に対してさまざまな点から疑問が投げかけられています。
現代医学の基本は、すでに発生してしまった病気の悪い部分のみを診て、その部分だけを治していく対症療法であると言われています。しかし、人間のからだとはそれほど単純なものなのでしょうか。患部のみを診て人間のからだの全体的なつながりを考えない治療法が副作用などのさまざまな弊害を招いていると言えるのではないでしょうか。
現代医療に対して自然療法は、病気そのものではなくからだ全体を健康な状態に戻していくことが目的です。
そして、もちろん心もからだの一部。全体的なバランスを保つことで毎日を健やかに過ごせるよう、心にもからだにも働きかけることが自然療法の特徴です。
現代医療と自然療法
現代医療
- 西洋で発達(18世紀末頃から)
- 近代文明の発展とともに
- 実験室で開発されるもの
- 発生した病気をその患部のみ治療
- 治療薬は化学合成物がおもな原料
自然療法(アロマセラピーアーユルヴェーダなど
)
- 世界各地で土地と結びついて発達
(約5000年以上前から)
- 民間伝承という形で発展
- 各家庭での実体験から育まれたもの
- からだ全体を診て、その全体を健康な状態に戻すのを目的とする療法
- 治療には自然物そのものを用いる
アロマセラピー
香り成分が
ホルモン分泌を
整える
精油には植物の有効成分が凝縮しています。精油の香り成分は鼻の奥にある嗅細胞を通り、大脳辺緑系へと信号が送られます。
それから自律神経やホルモンの中枢となる視床下部へ伝わって脳から神経化学物質が分泌されます。この分泌物によってリラックスしたり、元気になったりするのです。精油の成分は呼吸によって直接肺に入ります。肺胞の周辺の毛細血管や体液に精油の微分子が入りこみ、からだの各部に循環してさまざまに働きかけます。精油の分子は皮膚を透過するのに十分な小ささであり、また、脂溶性なので皮脂に溶けて吸収されやすいのです。皮膚から吸収された精油は体液の流れにのってからだの各部に働きかけます。植物成分の濃縮した精油は、このような経路をたどってからだに効果をもたらします。人工的な成分にはできない、植物だけがもつパワーです。
ハーブ療法
ハーブティーで
毎日を元気に
過ごす
ハーブ、つまり薬効のある植物を健康に利用することは、世界各地で受け継がれてきた伝統的な療法です。ヨーロッパでは今もハーバリストとよばれるハーブの専門家のいる薬局が街のあちこちにあり、健康相談をしながらハーブを処方しています。
とくにハーブは、病気というほどではないけれど調子が悪いというときに効果を発揮します。
夜眠れないとか偏頭痛がするとき、胃の調子が悪いときなど薬を飲むよりも副作用のないハーブが安心なのです。
たとえば、頭痛のときにはカモミール茶、肌あれのときにはローズヒップ茶と、キッチンに各種のハーブティーを常備しておくと便利です。鉢植えで育てたミントなども、もっと活用してみましょう。葉をちぎってお湯を注げば、香り高いお茶になります。また、普段の料理にもハーブをもっと多用すれば、食事を引き立てながら薬効も発揮して、病気を未然に防いでくれます。